2018年2月6日 6時00分
5季ぶりに御神渡り(御渡り)が出現した諏訪湖で5日、氷の筋を正式認定する拝観式が行われた。判定と神事をつかさどる八剱神社(諏訪市小和田)が、うっすらと雪が残る氷上で3本の筋を確認し、御神渡りに認定した。拝観後は、同神社で過去の記録と照らし合わせ今年を占い、天候は「前半は不安定なれど、後半は順調」、農作物の作柄は「やや良」、経済は「明るい兆しあり」となった。
宮坂清宮司、宮坂英木大総代、氏子総代、古役など神社関係者ら約80人が参列した。神社で安全祈願を済ませ、諏訪市豊田の旧六斗川河口付近で一之御神渡りの「下座」(起点)を確認。湖周を時計回りに移動し、岡谷市湊、下諏訪町赤砂崎、同町高木、諏訪市湖岸通り1の順に拝観を行った。
一之御神渡りは岡谷市湊の小田井湖岸付近に延び、同町赤砂崎に「上座」(終点)を確認した。二之御神渡りは諏訪市の上川河口付近から下諏訪町の秋宮方面に延びていると判定。同市湖岸通り1の千本木川付近から南西に延びる筋を佐久之御神渡りと認定した。
占いでは、下座と上座の位置が1938(昭和13)年、45(同20)年と類似していると判断。当時の作物や世相の記録を基に判断した。
宮坂大総代は「とにかく御神渡りができてうれしい。今季は寒い冬だから期待していたが、期待通りになった」と晴れやかな笑顔を見せた。1月5日から毎朝諏訪湖の観察を行ってきた監視総代の藤森薫さんは「務めが果たせてほっとしている。毎日の観察は大変だったが、その分喜びも大きい」。岩本敏雄さんは「4年間見ることができなかっただけに、とてもうれしい。雨や雪などもあったが、よくできてくれた」と語った。
5年ぶり「御神渡り」で世相占う 共同通信
長野・諏訪湖で拝観式
5年ぶりに行われた御神渡りの拝観式で、氷の筋を確認する宮司ら=5日午前、長野県の諏訪湖
結氷した湖面にせり上がった氷の筋がうねるように走る自然現象「御神渡り」が5年ぶりに確認された長野県・諏訪湖で5日、神社の宮司らが筋の様子を見て農作物の出来や世相を占う「拝観式」があった。
地元の八剣神社の宮坂清宮司(67)によると、この日の氷の厚さは15センチほど。湖面では3本の筋がところどころ大きくせり上がり、時折、氷が割れる音が響く。観光客らが緊張した様子でカメラを構える中、神社の総代ら約60人が氷に乗って筋を観察。神社に戻り、過去の御神渡りの様子と比べて「作柄やや良く明るい兆し」と占った。