これからきくのは、バンジャマン・アラールのチェンバロによるパルティータ第4番(BWV828)です。このBWV828、序曲のはじめの部分は太陽が昇ってくるような眩さががあり、これほど光輝に満ちている音楽はあまりないかと。これがほかの鍵盤楽器や管弦楽だとそうは思わないかもしれないので、やはり、これはチェンバロの威力なのでしょう。アラールの録音のおもしろさは、序曲後半のいきいきした演奏と、つぎのゆったりしたアルマンドの対比。強烈な朝日で目覚めたあと、またまどろみたくなるような穏やかな音楽となり、これが10分ちょっと続きます。録音は2009年。チェンバロはアンソニー・サイデイによるジャーマン・モデルです。
CD : Alpha 157(Alpha)