今週きいてきたのは、セルゲイ・マーロフの「Sergey Malov: Bach - 300 Years Of Solitude」です。このアルバムには、無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ6曲が、パルティータ3曲、ソナタ3曲の順で収録。これから楽しむソナタ第3番(BWV1005)が最後の曲となります。
アルバムはダウンロードあるいはストリーミングのみでの販売で、CDでの発売はないようです。したがって、紙の解説書もないのですが、デジタルの解説書もありません。
これはちょっと困ったことで、販売サイトでの説明ぐらいしか情報がないため、2024年録音というのも、明記されているのはワーナーミュージック・ジャパンの説明のみのようです(Warner Classicsでは録音年は未記載)。
録音での使用楽器(ディミトリー・バディアロフ製作のバロック・ヴァイオリン)については、マーロフの公式サイトの写真からの推測です。弓については不明です。
アルバムの表題「300年の孤独」については、ワーナーのサイトにマーロフの文が掲載されており、自筆譜(1720年)の「Sei solo」を、「あなたは孤独」と訳すことにもとづいたもののようです。マーロフはマリア・バルバラ・バッハの死(1720年)とシャコンヌとの関連を強く示唆しています。
ただし、「Sei solo」はふつう「6曲の独奏曲」とされ、「Sei soli」の文法まちがいとされています。「Sei solo」を「あなたは孤独」とするよりは自然ですが、バッハがあえて2重の意味を、ことば遊びとして込めた可能性もわずかにあるかもしれません。
File : 2048270(EuroArts)