雑誌の整理をしていたら、レコード芸術・別冊「不朽の名盤1000」(音楽之友社)という雑誌が出てきました。「不朽の名盤1000」というのは、32名のノミネーターが推薦する1000の名盤を紹介した雑誌。刊行されたのは1984年なので、かれこれ20年前の雑誌ということになります。
「レコード芸術」(略して「レコ芸」)というのは、音楽之友社が刊行しているクラシック専門の音楽雑誌。10年前ぐらいまでは、定期購入していたのですが、あまり必要性を感じなくなって、いまは図書館で、一年間分まとめてパラパラみるていど。
「不朽の名盤1000」は、この「レコ芸」の別冊として刊行されたもので、「レコードと私たちは対話する」という副題が付けられています。「レコードと……」というところは、まさに時代を感じさせるものです。ノミネートされているのは、もちろん、すべてレコード(一部CD番号が併記されているレコードもあります)です。
ページをめくると、AKGのカートリッジの広告や、まだ「デンオン」といっていた時代の「DENON」(デノン)の広告が。レコードの広告も、グールド最後の録音など、本編以外でも時代を感じさせるものが多数です。
本編は3部で構成されていて、第1部が「ベーシック・コレクション300」、第2部が「往年の名匠たちの偉大なる遺産147」、第3部が「名曲名盤コレクション543」というもの。
このなかで、ちょっと不可思議なのが第3部。交響曲、管弦楽曲、というふうにジャンルごとにまとめられているのですが、そこになぜか、ギター/リュート曲(ノミネート=浜田滋郎)という独立したジャンルが。
そこには、セゴビア、イエペス、ブリーム、ウィリアムスといったギター奏者のレコードとともに、リュート奏者ドンボワのレコードがノミネートされてあって、引退してしまったときの無念さがよみがえります。セオンから2枚のレコードが発売され、これからだってときだったのに……。なお、ドンボワのCDは「リュート組曲 ト短調 BWV995」で紹介しています。