今週は、アメリカの鍵盤楽器奏者、ダグラス・アムラインの「Pro Cembalo pleno」(1995年録音)を楽しんできました。こののアルバムは、ペダル・チェンバロ(イギリスのチェンバロ奏者・製作家のコリン・ブースによる)を弾いて録音されたもので、収録曲はすべて、ふつうはオルガンで演奏されるものばかりです。これからきくのは、パッサカリアとフーガ(アルバムの表記は「パッサカリア」)。なれもあるのでしょうが、このBWV582は、ペダル・チェンバロではなく、やはりオルガンでききたいところ。もちろん、ペダル・チェンバロもおもしろくきくことはできますが、空気を揺るがして鳴るオルガンこそ、BWV582にはふさわしく思えます(BWV582がペダル・チェンバロのために作曲されたという説があるにせよ)。なお、フーガの終結直前の全休止には、華麗な即興が入れられています。
CD : PRCD 523(Priory Records)