毎日バッハをきいていこう!

一日一バッハ




待降節第3日曜日にきくのは、ジョフリー・マッジによるによる「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」です。マッジは1941年、オーストラリアのアデレート生まれのピアノ奏者。「いざ来ませ」は2003年に録音された、「A Cathedral of Sound - The Bach Busoni Transcriptions」(Zefir Records ZEF 9698)に収録されており、「いざ来ませ」もフェルッチョ・ブゾーニの編曲版です。マッジのピアノは、スタインウェイ D 470340(解説書の写真にも映り込んでいます)。硬質で艶のある響きが、いかにもスタインウェという感じです。なお、アルバムにはブゾーニ編のバッハのほか、マッジ編の「神の時こそいと良き時」(のソナティーナ)も収録されています。

ZEF 9698

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これから楽しむのは、クリストフ・ルセの「フーガの技法」(BWV1080)。録音は2020年、パリにておこなわれており、還暦をすぎたルセのすぐれた演奏をきくことができます。録音における構成は、コントラプンクトゥス第1番から第13番、4曲のカノンで、3つの主題による4声のフーガ(未完)は収録されていません。ガエタン・ナーロー(おそらく音楽雑誌「ディアパゾン」の編集長)の解説によると、未完のフーガのあつかいについて、(1)未完のまま演奏、(2)補完して演奏、(3)演奏しない、3種の選択肢があるとし、バッハが未完のフーガを演奏するはずがないなどとして、ルセも演奏しないという選択肢を選んだとしています。個人的にはルセの未完、あるいは補完フーガもきいてみたかったと思いますが、奏者の選択ならしかたがないところです。ルセの演奏はテンポの速いコントラプンクトゥス第9番でも声部間の見通しがよく、けっして団子にないのはさずがです。使用楽器は作者不詳のジャーマン・チェンバロ。録音にはその響きが美しくとらえられており、ルセのすぐれた演奏に花をそえています。

CD : AP313(Aparte Music)

AP313

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今日これから楽しむのは、フランチェスコ・チェーラによるイ短調のファンタジーとフーガです。昨日と同じく「Bach - French Suites & Italian Concerto」に収録された1曲で、2008年の録音。チェーラの演奏ではじめてきいたとき、ファンタジーがきわめてゆっくりと弾きはじめられ、驚愕というか、呆気にとられたというか、師であるグスタフ・レオンハルトの演奏とちがいすぎると思ったものです。しかし、そのこまやかな筆致は録音のよさとあいまって、とても楽しめますし、なれてもきます。使用楽器は、ヴァンサン・ティボーの1691年製にもとづく、ロベルト・リーヴィの2006年製チェンバです。

CD : 47738-8(ARTS)

47738-8

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今日と明日楽しむのは、フランチェスコ・チェーラの「Bach - French Suites & Italian Concerto」です。チェーラはイタリアのチェンバロ奏者、オルガン奏者。アルバムは2008年の録音で、表題どおり6曲の「フランス組曲」をプログラムの中心にすえ、ほかに「イタリア協奏曲(イタリア趣味による協奏曲)」とイ短調のファンタジーとフーガを収録しています。ここできくのは後者の2曲。今日は収録順どおり、「イタリア協奏曲」を楽しみます。使用楽器は、ロベルト・リーヴィの2006年製チェンバロ(ヴァンサン・ティボーの1691年製にもとづく)です。

CD : 47738-8(ARTS)

47738-8

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今週前半は、濱田あやが2020年に録音した、「バッハ : クラヴィーア練習曲集第2部、シャコンヌ」を楽しんでおり、これからきくのは「フランス様式による序曲(フランス風序曲)」です。このBWV831は「クラヴィーア練習曲集 第2部」に所収されており、きわめて洗練されたスケールの大きな組曲です。濱田はこれを、力強く、かつ繊細に弾いており、とてもききごたえがあり、録音はその演奏、そして楽器の響きを美しくとらえています。使用楽器はヨハネス・ルッカースの1632年製(スイスのヌーシャテル芸術・歴史博物館所蔵)。濱田は「トランスクリプション&インプロヴィゼーション(編曲と即興)」という解説をアルバムに寄せており、またキャロリン・ジュニエとピエール=ローラン・へスラーによる楽器についての解説の日本語訳も担当しています。

CD : EVCD07(Evidence Classics)

EVCD07

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昨日からききはじめた、濱田あやの「バッハ : クラヴィーア練習曲集第2部、シャコンヌ」(2020年録音)。アルバムのプログラムの中心は表題どおり、「クラヴィーア練習曲集 第2部」所収の2曲で、今日は収録順どおり「イタリア協奏曲(イタリア趣味による協奏曲)」(BWV971)を楽しみます。使用楽器は、ヌーシャテル芸術・歴史博物館(スイス)所蔵のオリジナル・チェンバロ。製作者はヨハネス・ルッカースで1632年製(1745年拡張)です。

CD : EVCD07(Evidence Classics)

EVCD07

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今日から楽しむのは、濱田あやの「バッハ : クラヴィーア練習曲集第2部、シャコンヌ」です。収録されているのは、これからきくトッカータ(BWV912)のほか、「イタリア協奏曲」と「フランス風序曲」(ともに「クラヴィーア練習曲集 第2部」)、シャコンヌ(無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番)です。濱田はニューヨーク在住のチェンバロ奏者で、このアルバムの録音は2020年。使用楽器は、ヨハネス・ルッカースの1632年製のチェンバロ(1745年拡張)です。

CD : EVCD07(Evidence Classics)

EVCD07

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待降節第2日曜日にきくのは、ジュリアン・マーティンとオリヴィエ・フォルタンによる「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」(BWV659)です。このオルガン・コラールはフェルッチョ・ブゾーニのピアノ編曲などで有名ですが、ここできくのはリコーダー(マーティン)とチェンバロ(フォルタン)のための編曲。装飾された定旋律をリコーダーで吹いていて、なかなかきかせます。音源は「Bach Transcriptions」(2021年録音)というアルバムで、フルート・ソナタや、オルガンのためのトリオ・ソナタなど、同じ編成での編曲が7曲がふくまれます。無伴奏ヴァイオリンのためのシャコンヌの編曲もあり、とても楽しめるアルバムです。

CD : Alpha 939(Alpha)

Alpha 939

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今日これから楽しむのは、ステファノ・モラルディのオルガンで、ニ短調のフーガ(BWV539)です。昨日にきいたト長調のトリオ(BWV1027)と同じく、「J.S. Bach: Transcriptions」に収録された1曲。ニ短調のフーガの原曲は、無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番第2楽章(BWV1001/2)のフーガ(ト短調)です。解説書によれば、「バッハあるいは子や弟子のひとり」の編曲ということ。なお、Bach Digitalでは、編曲者はバッハではないとされています。録音は2021年。使用楽器はドイツのネレスハイム修道院のオルガン(ヨーハン・ネーポムク・ホルツァイが1797年に建造)です。。

CD : 96413(BRILLIANT CLASSICS)

96413

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今日と明日きくのは、ステファノ・モラルディの「J.S. Bach: Transcriptions」です。アルバムの録音は2021年で、ほかの楽器のための曲をオルガン編曲(トランスクリプション)した作品がCD2枚に収録されています。ここではその中から、ト長調のトリオ(BWV1027)とニ短調のフーガ(BWV539)を楽しむことにし、のこりはまたの機会においておくことにします。

今日きくトリオは、オブリガート・チェンバロとヴィオラ・ダ・ガンバのためのソナタ 第1番の第1、第2、第4楽章の3楽章によるオルガン曲。ただし、編曲は「バッハ自身の手によるものではない」(『バッハ事典』)ということです。モラルディの使用楽器は、ヨーハン・ネーポムク・ホルツァイが1797年に建造(1979年修復)した、ネレスハイム修道院のオルガンです。

CD : 96413(BRILLIANT CLASSICS)

96413

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3曲のクラヴィーア曲を収録した、崎川晶子の「バッハ ― 音のあはひ」。一昨日から収録順にきいてきて、のこる1曲は今日きく「フランス様式による序曲」のみです。「クラヴィーア練習曲集 第2部」所収のこの曲は、序曲にはじまり、クーラント、ガヴォット、パスピエ、サラバンド、ブーレー、ジーグ、エコーという構成です。崎川の楽器はこれまでと同じく、アンソニー・サイデイの1996年製チェンバロで、アンドレアス・ルッカースの1636年製(アンリ・エムシュが1763年に拡張)にもとづいています。録音は2023年です。

CD : ALCD-1219(ALM RECORDS)

ALCD-1219

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昨日からきいている、崎川晶子の「バッハ ― 音のあはひ」。今日きくのは収録順どおり、ラウテンヴェルク組曲(BWV996)です。この組曲はふつうリュートで演奏されますが、伝承された筆写譜に「ラウテンヴェルクで」(リュート・チェンバロ)とあることもあって、リュート・チェンバロあるいはチェンバロで演奏されることも多くなっています。崎川の弾くのはざんねんながらリュート・チェンバロではなくチェンバロ。使用楽器は、アンソニー・サイデイの1996年製(アンドレアス・ルッカース[1636年製造]/アンリ・エムシュ[1763年拡張]による)です。

CD : ALCD-1219(ALM RECORDS)

ALCD-1219

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今日からきいていくのは、崎川晶子が2023年に録音した「バッハ ― 音のあはひ」です。このアルバムには、パルティータ第4番(BWV828)、組曲ホ短調(BWV996)、フランス風序曲(BWV831)の3曲が収録されており、今日きくパルティータ第4番から収録順に楽しんでいきます。崎川の弾くのは、アンソニー・サイデイの1996年製のチェンバロ(アンドレアス・ルッカース[1636年製造]/アンリ・エムシュ[1763年拡張]による)です。

CD : ALCD-1219(ALM RECORDS)

ALCD-1219

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今日これから楽しむのは、エリク・ボスグラーフ(リコーダー)とコレギウム・ムジクム・リガ(13名編成)によるイ短調の協奏曲です。この曲は2020年に録音された「J.S. BACH: Concertos for Recorder Vol. 2」に収録。BWV番号からわかるように、ヴァイオリン協奏曲第1番をボスグラーフがリコーダーために編曲したもので、録音での使用楽器はジョエル・マイヤー製作のソプラノ・リコーダーです。アルバムにはほかにも、カンタータのアリアを編曲した3楽章の協奏曲など、リコーダー編曲された多彩な曲が収録されており、ボスグラーフの名技を楽しめるCDとなっています。

CD : 96394(BRILLIANT CLASSICS)

96394

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待降節第1日曜日にきくのは、クリストフ・シュペーリング、ダス・ノイエ・オルケスター、コールス・ムジクス・ケルンによる「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」(BWV61)です。このカンタータは1714年年12月2日の初演。第1曲はフランス風序曲に合唱をくみこんだ形式で、歌詞はマルティン・ルターの同名コラール。第6曲のコラールは、フィーリップ・ニコライの詩にもとづいています。シュペーリングの録音は2015年。独唱はリディア・トイヒャー(ソプラノ)、シャルロッテ・クヴァト(アルト)、ゼバスティアン・コールヘップ(テノール)、ラファエル・フィンガーロス(バス)と、みなドイツ語圏の歌手たちです。

CD : 88985320832(deutsche harmonia mundi)

88985320832

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