『島を愛した男』 (1975年) - 1975
安達 征一郎 (著)
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目次 全246ページ 印象に残ったぶぶんをメモ風に ↓
海のモーレ p 3
日照り続きの島に玉木船長がやってくる話だ。闇商人の船長は村人ともなじみ。小柄な老人だが、東南アジアにも足を延ばし、さまざまな修羅場を経験し、新知識も豊富。恐ろしい人だが、しかし・・・。
笑い声は追い出しの歌だ p 60
眠くなりそうな南の島の暑い昼下がり。ある日、花柄のスカートですらりと伸びた脚の線が美しい色白の娘がやってきた。それはなんと、島を出たあの鼻たれの民子だった。
そして何日か経って、民子を追ってヤクザがやってくる。それからが想像を絶する面白さ・・・そしておそろしい。胸がすくようなでは言い表せない、そう、おそろしいほどの痛快感。年老いた村人たちがとった行動とは?そしてささやいた言葉とは?
島を愛した男 p 88
今はむかし、暮らしも限界の集落に家族にも見捨てられただ一人残った男の結末とは・・・ 一筋縄で結論を出すには惜しすぎる。
花蜜の村 p 158
これはやや長編 たぶん島でない。美貌に恵まれた由美は、母の苦悩をと秘密を知ろうと遺された日記を解読すべくロシア語を独学する決意をする。物語はそれだけがメインの話ではないのだが。
2度目なので、さらに面白く読んだ。
このブログ 『憎しみの海・怨の儀式』―安達征一郎南島小説集 (単行本) 安達征一郎著、川村湊編・解説
何度でも読むべき作品なのかも知れない。
南の孤島ならではのわくわくする面白い展開でどれも飽きることなく読んだ。
しかし、孤島だけの話ではなく、日本中どこにもありそうで、面白いだけでなく
深く考えさせられる。
どれも島の名前を特定しないのは、興味深いことなのかも知れない。
話の内容からTVドラマは無理だろうが、
映画にしたら面白いこと間違いないと思うのだが、
それも無理な時代になったのかなあ。しかし、今だからこそ、と期待を述べておこう。
日照りがつづき島民の暮らしは悲惨で、深刻な描写もあるのだが、どこか笑えてしまうような痛快な描写もあって
笑えて島うのは南の島に住んでいるからだろうか?と思う。いやそうではあるまい。
amazon 登録情報
-: 246ページ
出版社: 三交社 (1975)
発売日: 1975
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