『精読 学問のすゝめ 』(幻冬舎新書) – 2019/4/25
橋本 治 (著)
橋本 治 (著)
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最近、時代小説にハマっていたのだが、
ここのところ数冊がつづけてハズレだったので
借りた本はすべて返却して、
書店に行ってみた。
ここのところ数冊がつづけてハズレだったので
借りた本はすべて返却して、
書店に行ってみた。
書店には平成~令和関連本(万葉集など)もだいぶ少なくなっていた。
福澤に代わる新一万円札の図柄の渋沢栄一(5千円の津田梅子は見落とした)
関連本もあったので、この本もその流れ(新時代)なのかも知れない。
福澤に代わる新一万円札の図柄の渋沢栄一(5千円の津田梅子は見落とした)
関連本もあったので、この本もその流れ(新時代)なのかも知れない。
美智子様もあるけど、ナゼか樹木希林さんも多く見かける。
(さて本題)しかし、奥付の前に※この作品は2016年6月小社より刊行された『福沢諭吉の『学問のすゝめ』』を改題したものです。とあるので、去年あたりからつづく明治150年の流れなのかも。
先日は、近くに、あの『逆説の日本史 20 』幕末年代史編3 西郷隆盛と薩英戦争の謎 (小学館文庫) 文庫 – 2017/4/6 も陳列してあったし。
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『学問のすゝめ』は一編が10枚ほどの短い小冊子で全十七編。
そのうち、著者がすべての肝がつまっているという初編だけで、これだけのことが読み込めるのか、と驚く。
そのうち、著者がすべての肝がつまっているという初編だけで、これだけのことが読み込めるのか、と驚く。
一文一文を噛み砕くだけでなく、重要な単語の解説からも時代背景や、現在との違い、
そして現在の政治状況にも驚くほど当てはまる解釈。
これが精読というものか、と恐れ入った。しかも読みやすい。
ぱらぱらとめくり、振り返って、印象にのこった一点だけをあげるとすれば「一身独立して一国独立する」かな。
たくさんあるが、当時(明治5年から9年)の時代背景を考えると、右、左の単純な見方では誤解のほうが多い福澤諭吉。のちの時代の誤解すら見通していたような文章。
たくさんあるが、当時(明治5年から9年)の時代背景を考えると、右、左の単純な見方では誤解のほうが多い福澤諭吉。のちの時代の誤解すら見通していたような文章。
福澤が高く評価した西郷隆盛の朝鮮使節派遣問題(征韓論)に端を発した「明治六年政変」の前年に出たことを思うと、西南戦争を考える上でも新鮮な視点をあたえてくれる。
福澤はできたばかりの明治政府そのものを攻撃しているのでは決してないのであるが、それでは誰を・・というあたりも読みどころだったかな。精読で著者があぶりだしでわかったことだが。
一気に読めて、とにかく、つぎからつぎへ目からうろこが落ちる「永遠のベストセラーの謎がわかる」(帯より)一冊だった。