眠れないほど面白い『古事記』 (王様文庫) 文庫 – 2012/12/1
由良 弥生 (著)
5つ星のうち3.8 110個の評価
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内容(「BOOK」データベースより)
陰謀と戦い、禁断の恋、嫉妬燃えさかる愛憎劇…日本最古の歴史的名著『古事記』を大胆かつ鮮やかに再現。いにしえの霞のかなたに広がる日本の神話・伝説の扉が、今開く。
書店で見つけた。
私には「神話」や「記紀」などには、どうしてもある種の偏見もあって敬遠ぎみだったのだが、それに加え神話の人物相関図の複雑なこと。(勉強を熱心にやった人でもそうだと思う、神話教育の是非はいろいろある)
それに登場人物の名前も外国の小説に劣らず覚えづらい。
難しい複雑な登場人物の名前もすこしづつ馴染んでいけば、すこしづつ興味もわいてくる、なつかしい日本神話。(挿絵で人物の印象を押さえることができる)
タイトルの「眠れくなるほど」かどうかはさて置き、
もっとすなおに読めば、ギリシャ神話や旧約聖書にも通じるようなさらなる面白さも発見できるかも知れないとおもう。
アマテラスの子から孫のニニギ」の天孫降臨の話は、
記紀編纂の時代、41代持統天皇(645年- 703)の子で病没により皇位につけなかった草壁皇子にかわる孫の文武天皇(諱は珂瑠(かる)軽皇子(かるのみこ)への皇位継承を正当化するべく設定された、という話(説)は本書では取り上げられていなかったと思う。これを取り上げると話が複雑になりすぎるからなのだろうが、まずは、とりあえず断片的な神話の知識を整理するためにも、面白く読めることは必要だろう。