都会の街のきれいなお嬢さんが♪都会のかほり振りまいて、海風荘にもやって来ます が、
島唄でも有名な嘉徳鍋加那節(かとくなべかなぶし)の鍋加那さんは、とびきりの美人であったらしい。
名前からは想像しにくいのですが、こういう例は奄美の他の民謡や言い伝えなどにも多い気がします。
嘉徳なべ加那や如何しゃる生まれしちが、
親に水汲まち、い(座)ちゅて浴めろ。
嘉徳なべ加那が、死じゃる声聞けば、
三日や白酒造て七日遊ぼ。
鍋加那は美しい天女のように気高く、両親も神に仕えるように、水を汲み、娘を水浴びさせるほど、どうしてあのように神高く生まれたのだろうかという意味だそうだ。
二番の歌詞には奄美の古い民俗もうかがえる。それを知らずに現代の価値観や道徳思想を持ち込んでこの歌詞を解釈すると、鍋加那は驕慢で親不孝者だから、厄払いをしよう、というふうにも解釈できてしまいます。
このような解釈は他の事例でも、そして奄美の内でも起こりうるのです。自分のことですが。
つまみ食い参照
金久 正著 『奄美に生きる日本古代文化』 至言社
他
写真の鍋加那のお墓にはきれいな花が供えられてありました。
ということで、次回は林道を通って帰ります。