奄美 海風blog

写真。植物や本 ネットで映画感想。相撲見てツイート
04年4月~14年11月ブログ人
トップへはタイトルをクリック

『昭和史』 1926-1945 (平凡社ライブラリー) 単行本 – 2009/6/11

2016年11月04日 | 本と雑誌


『昭和史』 1926-1945 (平凡社ライブラリー) 単行本  – 2009/6/11

半藤 一利   (著)  
5つ星のうち 4.1
129件のカスタマーレビュー

amazon 内容(「BOOK」データベースより)

授業形式の語り下ろしで「わかりやすい通史」として絶賛を博した「昭和史」シリーズ戦前・戦中篇。日本人はなぜ戦争を繰り返したのか―。すべての大事件の前には必ず小事件が起こるもの。国民的熱狂の危険、抽象的観念論への傾倒など、本書に記された5つの教訓は、現在もなお生きている。毎日出版文化賞特別賞受賞。講演録「ノモンハン事件から学ぶもの」を増補。

====図書館2階の書架のエンド部分にある椅子に腰かけて休憩した時に偶然大きい活字の背表紙が目に入り、手に取った。すでに読んでいたと思ったが、そうではなかった。


授業で語るような、話し言葉で書かれていて、それが意外なほど内容ををわかりやすくしている。
小説を読むようような臨場感がそうするのだろう。
著者が小学生から中学生くらいの当時に、近所の悪ガキどもと世相についてセリフで語る。戦争の混乱のなか、川に落ちた当時の著者が、見知らぬおじさんに川から引き上げられ助けられたた話などは、小説以上だった。その人はいまでもわからない。

「ふにゃふにゃ」や「アホ」もよく出てくる。

P494「それにしても何とアホな戦争をしたものか。この長い授業の最後には、この語があるというほかはないのです。ほかの結論はありません。」とP494と締めくくられる。

わかりやすいのは話し言葉のせいだけではないと思った。
イデオロギーや左翼、右翼といった対立相違点からの見方をあっさりと切り落としている。

支配者が国民的熱狂を作り、それをマスコミが煽り、熱狂そのものが権威をもち。危機にさいし抽象的な観念論を非常に好み、具体的な方法論を検討をせず 空中楼閣を描き、楽観的な思いこみにふける、様子は実に詳しく、手際よく書かれわかりやすい。

勤勉で優秀なはずの日本人が、そしてそのうちのエリートたちがナゼ、あのような無責任でアホなことをするようになったのだろうか?  問うてもいたしかたないことなのだろうか。この問いは、わかりにくいといえば分かりにくい。米英ソなどの外国政府のしたたかさや、ずる賢さなども個々の局面で、わかりやすく書かれているのだが。
それは、P503「昭和史、戦前史というだけでなく、現代の教訓でもある」のだが。

======


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。