『昭和史』 1926-1945 (平凡社ライブラリー) 単行本 – 2009/6/11
半藤 一利 (著)
5つ星のうち 4.1
129件のカスタマーレビュー
amazon 内容(「BOOK」データベースより)
授業形式の語り下ろしで「わかりやすい通史」として絶賛を博した「昭和史」シリーズ戦前・戦中篇。日本人はなぜ戦争を繰り返したのか―。すべての大事件の前には必ず小事件が起こるもの。国民的熱狂の危険、抽象的観念論への傾倒など、本書に記された5つの教訓は、現在もなお生きている。毎日出版文化賞特別賞受賞。講演録「ノモンハン事件から学ぶもの」を増補。
====図書館2階の書架のエンド部分にある椅子に腰かけて休憩した時に偶然大きい活字の背表紙が目に入り、手に取った。すでに読んでいたと思ったが、そうではなかった。
授業で語るような、話し言葉で書かれていて、それが意外なほど内容ををわかりやすくしている。
小説を読むようような臨場感がそうするのだろう。
著者が小学生から中学生くらいの当時に、近所の悪ガキどもと世相についてセリフで語る。戦争の混乱のなか、川に落ちた当時の著者が、見知らぬおじさんに川から引き上げられ助けられたた話などは、小説以上だった。その人はいまでもわからない。
「ふにゃふにゃ」や「アホ」もよく出てくる。
P494「それにしても何とアホな戦争をしたものか。この長い授業の最後には、この語があるというほかはないのです。ほかの結論はありません。」とP494と締めくくられる。
わかりやすいのは話し言葉のせいだけではないと思った。
イデオロギーや左翼、右翼といった対立相違点からの見方をあっさりと切り落としている。
支配者が国民的熱狂を作り、それをマスコミが煽り、熱狂そのものが権威をもち。危機にさいし抽象的な観念論を非常に好み、具体的な方法論を検討をせず 空中楼閣を描き、楽観的な思いこみにふける、様子は実に詳しく、手際よく書かれわかりやすい。
勤勉で優秀なはずの日本人が、そしてそのうちのエリートたちがナゼ、あのような無責任でアホなことをするようになったのだろうか? 問うてもいたしかたないことなのだろうか。この問いは、わかりにくいといえば分かりにくい。米英ソなどの外国政府のしたたかさや、ずる賢さなども個々の局面で、わかりやすく書かれているのだが。
それは、P503「昭和史、戦前史というだけでなく、現代の教訓でもある」のだが。
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半藤 昭和史1926-1945その1昭和史の根底には赤い夕陽の満州があった。1856年からの国作りは40年後1905年(日露戦争)に完成。その40年後1945年に滅ぼす。帝政ロシアの南下を食い止めるべく日本が自存自衛の日露戦勝利で露の満州への権利を肩代りした。その意味とは 続
— 奄美海風荘 (@amami_kaihu_so) 2016年10月29日
昭和史2満州の権利保全の為軍隊を置き露の南下政策に備えるため満州が国防最大の防衛線のちの日本の「生命線」へ。蒋介石の「北伐」は大正15昭和元年、中国の国家統一が目前。最大の仮想敵国露も新国家へ。国際環境激動の中昭和は始まる。昭和史の諸条件は常に満州問題と絡む。張作霖爆殺事件に続く
— 奄美海風荘 (@amami_kaihu_so) 2016年10月30日
昭和史3昭和は陰謀と魔法の杖=統帥権で開幕した
— 奄美海風荘 (@amami_kaihu_so) 2016年11月1日
★張作霖爆殺事件(1928昭和3)奉天近郊で、日本の関東軍によって奉天軍閥の指導者張作霖が暗殺
★満洲事変(昭和6年)奉天郊外の柳条湖で、関東軍が南満洲鉄道の線路を爆破した事件(柳条湖事件)に端を発し日本と中華民国との間の武力紛争
昭和史4★国際連盟脱退1933年昭8
— 奄美海風荘 (@amami_kaihu_so) 2016年11月1日
リットン調査団報告の満州国不承認に反発、連盟脱退
★五・一五事件1932年昭7海軍の青年将校たちが総理大臣官邸に乱入し、内閣総理大臣犬養毅を殺害★二・二六事件1936昭11陸軍皇道派の影響を受け国家改造を目指す青年将校らのクーデター未遂事件