
日没が遅くなった。
夕食が早く済んだので、7時になってからウォーキングに出る。金剛の山並の上が、まだ薄紫になって明るさが残っている。
一人なので、いつもの半分にしておこう、そうすると暗闇になる頃には家に帰れる。
帰校する高校生が駅に向かうのと出会う。
「こんばんは」思いがけなく数人の女子生徒のグループの一人から声がかかった。それに連れて他の皆も「こんばんは」の挨拶。「お帰りなさい」のお返しをして、嬉しくなった。
そうだ、今度出会う生徒には、先に声をかけよう。そう思いながら少しさっきより暗くなった道を歩く。
やがて、向こうから白い制服が歩いてくる。傍に来ないと顔が見えない。真っ黒に日焼けしているのだ。
おそらく、今まで運動部の部活に励んでいたのだろう。
「ただいま」彼は私の「お帰り」より間一髪先に元気な声。清清しさを残して離れていった。
目的地からUターンして、家に近い交差点辺りで、二人の男子生徒の後ろに付いた。
一人は携帯を見ながら歩いている。こんなに暗くても液晶画面の明るさだけで見えるって、やっぱり若いなあと思いながら丁度横に並んだ時、「お帰り、部活やってたの」と声をかけた。
「ただいま。はい、そうです。」と一人の子。
「さようなら。気をつけて行ってください」ともう一人。
もうすでに街頭の明かりが頼りの歩道だ。「気をつけて」はなんと優しい言葉だろう。
「ありがとう。」大きい声でお礼を言って我が家の方の道路に曲がった。