「ここに寄っていこう」
さすがCさん目も鼻?もいい。
とにかく見つけた道端の看板に誘われるように訪れたのが地酒の蔵元。一見普通の田舎の大きい家といった感じだが、人の気配のない静かな佇まいだ。
しかし、うだつの上がった屋根の向こうに高いレンガ造りの煙突が空に伸びているのが、酒造元であることを象徴している。(写真は酒蔵の中の冷蔵庫の扉)
ここのお酒の水は、飛鳥川を溯った川上の山奥の源流に汲みに行っての貴重な水であることを話してもらいながら、勧められる冷酒を、CさんとSさんは、利き酒をしながら持ち帰りを選んでいた。
自宅から車で来ていれば、重さを考えないで持ち帰れるのにとCさんは残念そう。夫殿との晩酌はどうだったのだろうかと、今ふと思う。全く下戸の私は、これが美味しい、あれが良いと話しながら、利き酒をする二人を、微笑ましく眺めていた。
今は茶色くなっている玄関先の杉玉も、冬の仕込が終わって、新酒が出来た時には、新しく青々とした杉玉に変わっていることだろう。