そこで、フレームをつけてみた。
左上の空間が僅かな空。
右の屋根瓦の家の外にこの白い山茶花があった。
屋根より高い山茶花の古木を見たのは、賀名生皇居後を訪ねた時だった。
皇居橋を渡ったところにその木が視界いっぱいに入ってきた。
花が一面木を覆っているように咲いている。
赤い山茶花は、しっかり存在を主張するが、白い山茶花は鄙びた山里の中で写真に切り取ってしまえなく周りの風景に定着していた。屋敷の外に植えているから、自由に、大きくなり放題ののびのびした枝の広がりのある白い山茶花だった。その家の人は留守らしく犬だけが、私の気配に吠え立てていたが、ついぞ姿は見えなかった。