カフェテラス

テラスの片隅で一人心に呟くように

ごく幼いころ・鮎菓子と鎌倉

2006年01月24日 | ▼ 思い出綴り
まだ幼稚園にも入っていなかった頃のことが1枚の画用紙に描く絵のように浮かぶことがある。
この鮎菓子を眼にする時、画用紙の絵がさらにはっきりとする。

子供のなかった叔母に可愛がられ、遠くに行く時も連れて行ってくれた。
鎌倉の浄明寺に父の姉一家が住んでいたので、そこにも連れて行ってもらった。

鎌倉へのお土産が、今もわが町の銘菓「鮎菓子」である。中に白いお餅の様な餡が入っている。これは、大豆の餡子とは違う。当時はなかなか、お八つには食べられない特別上等なお菓子だったと今になって思う。

鎌倉の叔母は、10時と3時のお八つに、これを出してくれた。

3人の従兄弟と一緒に食べた、鮎菓子と、林の中の叔母の家。日当たりの良い廊下の奥にある本棚。その中に講談社の絵本が沢山あって、それらを見るのがとても楽しかった。
断片的な栞のように、鎌倉の叔母も一緒だった鶴岡八幡宮や太鼓橋も(ここだったかしら)記憶の中の一番古い場所にある。不思議で、懐かしい絵は、脳のどこにあるのかしら・・・

これらが、鮎菓子と共に思い出す私の記憶の絵である。

先日、今は横浜に住んでいる従兄弟と電話で話したとき、この話をしたら、「Tちゃんが鎌倉に来たことは覚えてるけど、小さい子だったよ。よく覚えてるね」と笑われた。

それは、鮎菓子のせいだとは言えず、笑って誤魔化した。
コメント (12)
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