お昼は大抵家にいる時は一人の、野菜中心のヘルシーメニューであるが、この案内状が届いた時、一つの計画を立てた。
「長らく生きさせてもらった記念に自分へのランチタイムをここでしよう」
一緒に行った友人を誘って、二人の予定の入っていない日を調整して、有効期限内の日を予約しておく。
私は1月、彼女は11月。年2回の定例会である。
バースディカードを封筒の中から出して開くと、こんな立体になって、思わず「可愛い!」と二人の声。
昨年は、オルゴールのメロディー入りだった。
メインディッシュは、ビーフハンブルステーキトリュフソース添え。
焼きたての小さいパンは、種類が多く、適当な時にバスケットに入れておかわり自由にともって来てくれる。
デザートはビーンズ入りバニラアイス。最後のコーヒーの香りを楽しみながら、お互い忙しくて会えなかった分話が弾んだ。
同じ頃に結婚し、子育ても同じ頃だった。
それぞれの伴侶の両親を見送り、勤めながらの夫の看病と、夫との死別まで、時は少し違っても、歩んだ道筋が同じという人生を歩んできた。
「ご馳走様。11月には、お誘いするね。それまで、死なれへん。借金背負ってあの世へ行きたくないからなぁ」
「そうそう。元気に過ごすこと、お互い気をつけような」
ローソクの揺れる炎を見つめながら、いつもの冗談。
これから何度、この冗談を繰り返せるだろうか。