降りはしないものの、低く垂れ込めた空と、吹き抜ける風の冷たさが頬に痛い日だった。
歩道の出店を眺めながらの参詣道はいいものだ。
薬師参りの時は、車で行ったので、この参道を歩くのは初めてだ。
大きな石の鳥居が、前方に見えた。
創建当時は木の鳥居だったのを、1294年石の鳥居に作り変えられたと説明にある。
昭和20年3月14日の、大阪大空襲でも、この鳥居は免れている。
頑張ったねと言いたい気持ちでここをくぐる。
これは、極楽門と呼ばれている。
極楽に通じる門とは、今日一日だけでなく、いつまでも極楽の日々が続きますようにと願いたい。
石舞台を隔てて、どっしりとした六時堂がある。
ここは境内のほぼ中央である。
薬師如来が本尊で、昼夜6回僧侶が諸礼讃するところなのでそのように名づけられている。
薬師参りの時には、ここで、ご朱印を頂いたことを思い出す。
この建物も、大阪大空襲の時に戦火から免れたそうである。
聖徳太子創建の四天王寺にゆっくりお参りできたことが、いい一日だった。