

3月1日が今年の開園だった六甲山高山植物園には日陰の所々に残雪が見られた。
そんな中で、僅かだが、春一番のような嬉しい花との出会いがあった。
今、どんな花が咲いているのか、調べることもなく訪れた六甲山だった。
もう10年以上前に初めてここに来たのは初夏の頃で、エーデルワイスやコマクサの可憐な姿を忘れることが出来ないまま、なかなか訪れる機会がなかった。

今津でのザゼンソウは、余り陽射しのない林の中の湿地で、濃い紫だったが、ここでは春の日差しいっぱいの中、この日を待っていたように、やや赤みのある茶色の姿である。

小さい芽が、その辺りいっぱいに出ているので、日を置いて行くときっといい顔に出会えるだろうなぁと思いながら、横顔をカメラに収めた。
ここで出会った、望遠レンズをつけたいいカメラを持っているおじさんと話したら、殆ど毎日来るとの事だった。
時には、日に2度来る日もあるとニコニコしながらの応えである。
「近いのですか」と尋ねたら、神戸だからと仰る。
きっと、花の一番いい顔と会えるのを待っているのだろうと羨ましく思った。
雨上がりの翌日の晴れ渡った空の下で、ザゼンソウに、一番早く出会えたことは、嬉しかった。