4月2日までと会期の終わりが迫った日であった。前夜遅くに、大学の先輩から、プーシキン美術展へのお誘いを頂いた。予定表を見て何も書き込まれていないことを確かめ、即座に同行する旨の返事をした。
19世紀末から第1次世界大戦までの短い期間にロシアの2人の実業家によって集められた、フランス近代絵画を、観る機会を得た。
印象派のモネ、ルノアール、新印象派のセザンヌ、象徴主義のゴーギャンとゴッホ、近代版画ではマネからピカソまで、素晴らしい絵画の世界に魅了された。
出口で購った、「MAYAMAXXのロシアの名画と旅ガイド」の中に「幸せ」という詩があった。そこに今日の私を見つけた。
『美術館にひとを呼ぶものはなにかっていうと、
それは絵が呼ぶわけでしょ。
あの絵を見てみたい、という
たったひとつそう思う人の心だけでしょ。
すごいことだよね。』・・・・・・・・・詩の一部より抜粋
美術館から出た空は、うす曇に変わっていたが、陶酔感に満たされて、その空さえ美しく感じられた。