
「お天気マークばかりが近畿地方の予報に出ていたのに、外れだったのかなぁ」
そう思いながら、南側の雨戸を開けた。
グレー1色の景色が広がっている。
濃霧の朝である。

朝霧の日は、霧が晴れると晴天になる。
予報どうりに違いないが、このような霧が発生するのは、確実に季節が進んだ証拠である。
夜の冷え込みがあり朝の太陽の光と温度が、霧の発生を促す。
これからも度々こんな朝を迎える気候になってきている。
少し早いけれど、寒い季節への兆しといえよう。

気温の下がった昨夜、どこからか迷い込んできた猫が、風も霧も防げる濡れ縁の下で夜を明かしたのだろう。
雨戸を開ける音に驚いて飛び出したのに、外の濃霧をカメラにと、部屋にいったん入った私が出て行っても逃げないで、じっとカメラ目線にある。
猫に、こんなに見つめられたのは初めてだ。
