カフェテラス

テラスの片隅で一人心に呟くように

九品寺 花散らしの雨の風情

2012年04月11日 | ☆ ふるさと・大和
この季節になるといつも思うのですが、桜の存在が俄然「我ここにあり」と言った風景に出会います。
今日は雨降りで、なんとなく周りの情景もモノクロの世界のようでした。
山麓線を車で通っている時、九品寺の辺りが白く輝いたように桜の塊が見えます。
背景が葛城山という山の根元のような場所だから、その白さが、一段と綺麗な白に見えました。
快晴の日だったらおそらくこんなに私を惹きつけなかったかもしれません。
真っ赤な彼岸花の咲く秋には何度も行っていますが、雨の日の九品寺に行ってみよう、そのままお寺に向かって左折しました。



駐車場の目の前の桜が満開です。
山門を入ると右手には四国八十八所の石仏をお参りできる広いお庭があります。
この緑の垣根の向こうがそのお庭です。
まるで桜の園のように、ソメイヨシノと紅枝垂れが数本植えてあり、それらの木々が古木となって桜の屋根をお庭に作っているみたいです。
また、左の庭園にも桜の古木が、雨の日の暗がりに灯りとなったように美しい花を咲かせています。



足元に目を落とすと、石畳の参道には、花びらが散り敷いています。
多分今朝から散った花びらでしょう。
白いままで、雨で濡れた石畳にくっついたように貼り付いていますが、踏まれていないのでとても綺麗です。
なんだか歩くのが勿体ないような気がします。


低い位置で幹が分かれたような古木の力強さが、古刹に季節が巡り来ると花を咲かせているのですね。



一番から八十八番まで、お参りしながら庭園巡りをしたこともありましたが、今日は足元の草が雨を含んでいましたので、この観音様の石仏にお参りするだけにしました。

桜の花びらを、体に纏って、花散らしの雨の中に立っていらっしゃいました。



九品寺の裏から葛城古道の方へ、少し歩いてみました。
それは、サクラの美しい民家が見えたからです。
白壁と桜の古木が、代々この家の方が春待ちの花として眺めていらっしゃるような気がしました。
コメント (8)
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