里の桜も散り急ぎ、この町の高原の梨園は今、白い花盛りの時期を迎えました。
例年よりも花の時期が、サクラと同じように1週間くらい遅れているそうです。
遥か後ろに、金剛山を背景にしたたような、南斜面に広がる高原です。
春の太陽が降り注ぐ朝に、くうのパパさんの梨園を訪ねました。
蕾も所々に見かけましたが、明日から雨なので今日は頑張らねばと、家族総出の受粉作業に精を出してお仕事に専念されていました。
昨年より多くミツバチの箱を置くことができたそうで、写真を撮っている耳元でも、ミツバチの羽音がして、せっせと蜜を吸いそのお返しのように、花から花へと飛び回って花粉を運んでいます。
しかしこの広い梨園で、ミツバチだけに受粉作業を任せておくわけには行きません。
開花期間の短い間に受粉を終わらせないと、果実の生産に関わってきます。
パパさんとおにいちゃんは、今年初めて取り入れた新兵器での作業です。
勢いのいい音が梨園に響き、時々聞こえる鶯がその合いの手に、こちらはのんびりいい声を競い合っています。
お母さんたち女性軍は、長い柄のついた刷毛で、まるで梨の花に優しくお化粧をするように、それも次から次へと素早く手を動かしています。
梨の花は真っ白です。
葉の新芽が出てき始めているので遠くから見ると、やや黄色く見えるのはそのためです。
白い花びらに今日のような太陽に当たると、花びらが透けてとても綺麗です。
秋には美味しい実をつける、命の営みのような、受粉作業を、白い花天井の下で、家族総出の忙しい時期が、お天気に左右されながら大変なご苦労です。
この辺りの大阿太高原は、白い花天井のような、美しい梨の花盛りです。