このたびは 幣(ぬさ)もとりあへず 手向山 もみぢの錦 神のまにまに 菅家(菅原道真)
百人一首の中から、菅原道真の作を選んで、「紅葉の錦」と詠われた晩秋の手向け山八幡宮に、先ずお参りした。
神社の横に、管公の腰掛の岩があり、そこに上の詠が碑に彫られ、いろは紅葉が優しく枝を翳していた。
拝殿前の能舞台から神殿の色とりどりの、紅葉を観る。
石段下の境内を、紅葉を愛でながら修学旅行生が行く。このような美しい時にここを訪れたことが、いい思い出になることだろう。
ここにも錦織り成す光景が広がる。ことに公孫樹の鮮やかな黄色は、楓の紅葉とはまた違った眩さがある。
大銀杏の黄葉は見事としか表現できない。古代の人たちもこの彩の手向山をこよなく愛でたのが、上の詠でもよく分かる。
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