「カラオケにきたんやけど、公園の紅葉がまっかっか。綺麗やで。カメラ 持って、ついでに歌いにおいでよ。」そんなメールが来たので、近くの住宅団地にある公園へ車を走らせた。
ここは大きな藤棚のある公園で、藤の花の頃も彼女から、藤の花とカラオケの誘いを受けて気分転換に出かける。 今は紅葉だけが12月のような寒い北風の中に、最後の華やぎを誇示するかのような大きな存在感を示していた。
残念ながら曇天で灰色の低い雲が空を覆っていたが、それがかえって紅葉の葉の色をそのままに見せてくれている。
エンジ系の葉と、鮮やかな朱色の葉の2種類の木が植栽してある。
ほんの数本の楓だけれど、季節の巡りに目をとめて、声をかけてくれる友人のいることも嬉しいし、久しぶりでカラオケスタジオで声を出したのも、肩のこりが落ちたような気になった。そこで思いがけない知人と出会えたのも、紅葉が取り持つご縁かもしれない。