参道の石灯籠の間から、ひょっこりと鹿がお出迎えである。
本殿を始め春日大社の建物は平安の頃より、二十年に一度で建替えられてきました。これを式年造替と言います。
生物というのは常に新陳代謝を行い、命を伝えていきます。その蘇りの要素を大事にしているのが、この式年造替です。建物を新しくすることにより、神も新しく甦る、と考えられています。さらに、もうひとつの重要な要素は、技術の伝承です。祖先から受け継いだ建築技法を、それぞれの時代の人が確実に受けとめ、更に次の世代へと引継いでいくのです。つまり、式年造替は、生命の更新であり、文化と技術の伝承でもあるのです。創建以来1200年にわたって続いている伝統行事です。 (奈良ストーリーHPより)
その第一回から平成27年の60回までの年表が参道に大きく掲げられていたので、その最初と最後の部分をカメラに収めた。
石段をあがるといつも目の前にある拝殿社殿の光景はなくて、平成27年の第六十次式年造替に向けて着々と修理・補修が進められている、完成時の大きな実物大のパネルがあって、工事中のため拝殿へのいり口は向かって右側を通ってお参りした。
春日大社では、楓の華やぎよりも黄金色の公孫樹の色が丹塗りの回廊の柱や、軒の色にあっている。
整然と並び石灯籠を透かして神域の木々の色付きが上品である。
石灯籠を覆うように公孫樹と楓のグラデーションが美しい。
拝殿横の大銀杏は、まだ色付きが十分でなく、若草色に見える。この公孫樹が黄色に染まる頃、そしてそれが散り初める頃は初冬の風が吹くのだろうと、根の盛り上がりの見事さ感動した。
この日は日曜とあって、七五三のご祈祷、お参りの人が多く、祈祷所や回廊では神官様も巫女さんも忙しそうにしていた。
水谷茶屋の紅葉はまだ先のお楽しみになってしまった。それとも今年の紅葉の状態がこのようなままで終わるのかしらと、少し心をここに残して若草山への石段を登った。
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