関西花の寺二十三番霊場・金剛寺さんへ行って来ました。
花曇りで全くのお花日和の、穏やかな日でした。
牡丹園は色とりどりの華やぎに満ちています。
日差しを柔らかく遮る、簾に覆われて、大切に育てられたお嬢様のような美女たちです。
開園と同時に行って、お昼近くまで、どのお花も見つめ、見つめられながらの散策です。
半分開花した淡い色あいが、朝の日差しの中で、匂い立つような乙女の姿を呈しています。
牡丹は奈良時代に、中国から仏教の伝来とともに、入ってきたと言われています。
けれど万葉集には牡丹の和歌は詠まれていません。
金剛寺の牡丹は、江戸末期、唐招提寺長老の本常大和尚が、薬草として境内に植えられたのが、
今日の牡丹寺の始まりだと栞に記されています。
季節の花300には、次の俳句と和歌が掲載されています。
「牡丹散って うちかさなりぬ 二三片」 与謝蕪村
「牡丹花は 咲き定まりて 静かなり 花の占めたる 位置のたしかさ」 木下利玄
「一輪の 牡丹かがやく 病間かな」 正岡子規