宇陀市の大野寺の枝垂れ桜を、たぶんお終い頃だと思いながら
お天気の良いのに誘われて行ってきました。
樹齢300年の小糸しだれ桜の古木2本と紅しだれ桜10本が大野寺周辺で、花盛りのころには見られます。
工事中の道路のカーブを曲がったとたん、お寺の生垣から枝を伸ばしている 紅枝垂れが、目に飛び込んできました。
「あっ! まだ咲いてる。」思わず声に出ました。
小糸枝垂れは、最後の力を絞るように明るい春の日差しの中に、白く色を変えて咲いていました。
今までに何度も出会った小糸枝垂れですが、こんなに白っぽくなっているのを見たのは初めてです。
色あせているというのではなく、この春を精一杯生きた証のように柔らかく、優しい色あいです。
紅枝垂れと、小糸枝垂れです。
根尾の淡墨桜を見た時のことが思い出されます。
あの時も、花の季節の終わり頃だったような気がします。
鐘楼と小糸枝垂れです。
もう1本の小糸枝垂れです。
そろそろ若葉が枝の間から芽を出しています。
境内の裏庭に咲く紅枝垂れの道は、散り敷いた花弁がびっしりです。
踏んで歩くのが、勿体ないような気がします。
いろんな花木が植えられていますが、やはり今咲いている紅枝垂れが、名残の花として
際立って美しいです。
紅枝垂れはピンクの簾のようで、この視界に向こうに異次元の世界があるように想像が弾みます。
小糸枝垂れにも、紅枝垂れにも、別れを告げてこの先の駐車場に向かいました。
出会いたかった花に、今年も出会うことができました。