迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

御縁と鎮魂。

2020-01-17 18:36:00 | 浮世見聞記
琉球舞踊の衣裳として用ゐられてゐた逸品が、手に入る。一部を縫ひ直して、さっそく明日の「那須与一」で使わう。本番を前に敬意を抱く琉球藝能の衣裳と巡り逢ふたも、良き御縁といふもの。今年も期待して良ささうだ。阪神淡路大震災から、今日で二十五年となる。遊びに行った友人宅のTVで、崩れて炎上してゐる神戸の街の中継映像に茫然としたことは、現在(いま)もはっきりと憶へてゐる。余譚だが、この當畤まさに神戸にゐたと . . . 本文を読む
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なにさなにさ蚤にも喰はさぬこの体。

2020-01-16 19:18:00 | 浮世見聞記
お隣りさんで、二月いっぱいリフォーム工事が行はれてゐる。施工業者も、あまり大きな音を出さないやう気を遣って作業をしてゐるのがわかるので、こちらも向かうが驚かない程度に聲を抑へての稽古を心がける。そして、うちの床も経年劣化がぼちぼち始まってゐるので、「つひでにウチも……」と頼んでみやうかしらと勝手なことを思ったりする。今日、大阪の小學校の工事現場で、作業員が足場から塗料に使ふシンナーを誤って落とし、 . . . 本文を読む
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442年の御縁。

2020-01-15 18:51:00 | 浮世見聞記
今回の世田谷ボロ市は、行けるとしたら今日なんだよなぁ……。と思へども、朝からビショビショと冷たい雨模様、こりゃアカンか、と半ば諦めてゐたら、昼過ぎから一変して晴天、「御縁があったやうだ……!」と喜んで出かける。“常連”の見世は、毎回だいたい位置が決まってゐるので見つけやすいのだが、今回はそのほとんどがなくなってゐて、これも浮世転変の習ひか……、とアテが外れていくらかガッカリする。それ . . . 本文を読む
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自力で天地をひっくり返せ!

2020-01-13 20:05:00 | 浮世見聞記
富士山──「霊峰」と崇めやうが、「ダイヤモンド富士」などとカメラを手に手に押しかけお祭り騒ぎをしやうが、そんな人間の思惑など関係なしに、常に噴火の可能性を孕んでゐる御山におはします。その富士山が江戸時代の宝永年間に大噴火をしたとき、當時の人々はいかにこの災害を乗り越へたのか、その聲を訊きに、神奈川県立歴史博物館の特別陳列「古文書が語る富士山宝永噴火─神奈川県域の被災と復興─」展に行く。近年、そして . . . 本文を読む
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なんでも“御利益”。

2020-01-12 18:11:00 | 浮世見聞記
川崎大師平間寺へ行く。浮世の連休に引っ掛かってゐるのが気に食はなかったが、今日行くと決めてゐたことなので、予定通り遂行する。不味い甘酒だったらしく、顔を顰めて紙コップの中身を物陰に流してゐる人や、なにやら母親に暴れてゐる幼児がいたり、だうも境内がうるさひので、用を済ませたらすぐに出る。今日参詣の御利益。こんな懐かしい看板を、しかも現役のままで発見したこと。そして、今夏に例の大茶番運動会が開催される . . . 本文を読む
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新曲澁谷。

2020-01-11 18:25:00 | 浮世見聞記
銀座線の、新しい澁谷驛を見に出かける。改札口外では、かつてのホームを撮ってゐる者、幾人かありけり。さりながら、かつてそこにホームがあったと云ふ記憶より、写真を撮ったこと、そしてそれをどこに保存したかと云ふ記憶を失くすはうが、先だらう。驛はとりあへずホームの位置を明治通り上に移動させたといふだけで、細部はまだまだ未完成。といふか、一帯そのものが未完成のままだ。それが、この忙しい街を余計に落ち着きのな . . . 本文を読む
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五十年咲き續ける“華”。

2020-01-10 18:55:00 | 浮世見聞記
樂しみにしてゐながら、なかなか出かけられずにいた大倉山記念館二階の図書館で開かれてゐる、「横浜と相撲展─横綱武蔵山没後50年記念─」を、やっと観る。技量よし、体格よし、男っぷりよしで銀幕スターのやうな人気があったと云ふ第三十三代横綱•武蔵山に展示資料を通して逢ふのは、これで三度目。三度目でも新鮮な魅力を覺えるのは、膨大な資料を明解にまとめた學藝員たちの腕もさることながら、やはり没後五十年以上を経た . . . 本文を読む
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愛子さま天皇の娘として古典を…進路変更にあったルーツ探求

2020-01-10 08:07:00 | 浮世見聞記
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/jisin/nation/jisin-https_jisin.jp_p_1818223?fm=d外國を理解するために、まずは自分の國の歴史文化を學ぶ──素晴らしいご選択だと思ひます。しかもご自分の意志ださうで、そこにこの内親王さまの“人間味”を感じます。さういう意志を持った人が天皇家から出たといふこ . . . 本文を読む
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呟きに吠える。

2020-01-09 23:57:59 | 浮世見聞記
電車に乗ると、車内じゅうに米國大統領御用達SNSが募集したらしい、“つぶやき”に溢れてゐた。投稿内容にどこか共感できるやうな、クスッとした笑ひを狙ったものらしい。が、どれもツボを外してゐて、大して面白くない。無駄遣ひをしないやうにと申し添へてお年玉を渡したら、“無駄かだうかは自分で決める”と言ひ返した五才児など、ただの小生意気で不愉快なジャリでしかない。そんなジャリにお年玉をあげることが、既に無駄 . . . 本文を読む
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にいィらめっこし~ましょ?

2020-01-08 19:14:00 | 浮世見聞記
郵便局へ出かけて、思はず吹き出しさうになった光景。その方面の信奉者たちには、「これで風邪をひかない云々」圧倒的大多数の無関心者には、「……変顔?」モノの価値とは、すなはちそんなものだ。 . . . 本文を読む
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2019年「理容業・美容業倒産動向」調査

2020-01-08 08:17:00 | 浮世見聞記
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/tsr_net/business/tsr_net-22724?fm=d美容院……、ありァちと街に多過ぎでせう。歯醫者やコンビニ並みに。私もかつて、十年いた組織と訣別した當初は“新しい自分”になりたくて、それまでの床屋通ひから美容院へと鞍替へしたことがありますが、けっきょく自然消滅しましたね。その人の . . . 本文を読む
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自分に宣誓。

2020-01-07 22:46:00 | 浮世見聞記
今年の目標……?そりゃ“常の如し”で、『手猿樂師として納得いく活動をするべく、心身を研ぎ澄ます』であります。浮世といふやつは、とかく玉石混淆ですからね。それらを峻別するためには、自分の眼で落ち着ひて、物事を見なくてはなりますまい。さう、“地に足を付けて”、です。なにしろ手猿樂は、舞台といふ板にしっかりと両足をつけて、摺り足で舞ふわけですから……。じゃによって、正月休み明け早々にまう二 . . . 本文を読む
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昨日の今日の母子。

2020-01-07 17:46:00 | 浮世見聞記
昨日は大井町線ではとんだバカ母子に驚かされたが、今日は全通九十年の記念エンブレムを貼った編成に、初めて出逢ふ。情報を仕入れてホームの突端などでカメラを構へてお仲間と屯す、ああいふことは好きではないので──たまにまんまとガセに引っかかる彼らの水準は實はアヤシイ──、かういふ時に出逢へるとその御縁に嬉しくなる。しかも、登場時から大井町線を走り──東横線に移籍した一時期もあるやうだが─、いまや最古参とな . . . 本文を読む
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シテ始動!

2020-01-06 22:09:00 | 浮世見聞記
浮世の「仕事始め」とは全く関係なく、今日が私の正式な稽古始め。今年もあれこれと考へてゐることはあるが、『二兎を追ふ者は一兎をも得ず』の例へもあり、まずは十八日のミニイベントに向けて、しっかりと中身を固めるべし!慌て者の一年はあっといふ間、落ち着ひてゐる者は一分一秒が長いものであることを知るとか云々。舞台へ上がれば、たとへ短い時間でも、その間は間違ひなく自分が主役(シテ)なのだ。その一 . . . 本文を読む
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母上は賢者なり。

2020-01-06 15:25:00 | 浮世見聞記
昼下がりの東急大井町線、走行中の急行車内で見た、呆れ果てたる光景。自由が丘で下車する直前まで、母子そろって渡し板の上で打ち興じける。どんなバカ親なのか、ぜひ面相を拝みたかったが、スモークガラスのために叶はなかったのが残念至極!……いやいや。きっと可愛い我が子に、身をもって教へやうとしてゐるのだ。あら、足が千切れた?イタイ……?さうでせう、だから電車が走って . . . 本文を読む
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