孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

インドネシア・バリ島 聖と俗 オダランと闘鶏

2018-11-06 23:43:08 | 東南アジア

【女たちが供物を捧げるオダランの光景】
一昨日夜にインドネシア・バリ島の中部ウブドに入り、のどかな田園風景のなかの散策や、ガイドブックの表紙に掲載されているような代表的な観光スポットなどを回っています。

観光二日目の今日6日は、午前中はウブド郊外の散策(ジャラン・ジャラン)、その後車でカルデラ火口湖を見下ろすキンタマーニ、人々が聖水で沐浴するティルタ・ウンプル(ともに世界遺産)を中心に、湖畔の露天風呂や観光コーヒー農園などを回る、盛りだくさんのメニューでした。

例によって、それらは帰国後に旅行記サイトにアップするとして、その観光の帰路、ウブドももうすぐというあたりの小さなお寺のオダラン(祭礼)や、その隣で男たちが興じる闘鶏の様子を写した画像を数枚紹介します。

ウブドの1年は210日で、年の節目には祭礼(オダラン)がお寺で取り行われるのは日本と同じですが、バリ・ヒンズー教の「神々の島」は至る所にお寺があり(もっと言えば、各家庭の敷地内に、それぞれその家のお寺みたいなものが祀られています)、各お寺が異なる日にオダランをやっていますので、車で島内を走っていると、オダランの行列に出くわすことがしばしばあります。

今日も観光を終えてウブドにもどる途中の、小さなお寺で、周辺の住民だけで行う極めて小規模なオダランをやっていましたので、車を止めてちょっと見学。

もちろん寺院内には入りませんが、頭上にお供えを高く積み上げて、お寺を出入りする女性たちの様子をしばらく眺めていました。

神様にお供えを捧げたあと、そのままお供えは各自家に持ち帰り、“神様からのおすそ分け”を家族で食べる・・・・といった習わしは、日本でも似たような風習があるかと思います。

頭上にうずたかく果物などが積み上げられた供物は、よく崩れないものだと、いつも感心します。(下記の説明によれば、「ゲボガン」という種類のお供えのようです)


なるべく多くの供物を積み上げるのが、神様への大きな信仰心を表すと同時に、地域のお隣さんたちに対しても面目が立つのでしょう。

女性たちの“腕の見せ所”でもあるのかも。

しかし、ときにはアクシデントも。
ある高齢の女性が寺を出たところで足をすべらせ、お供えを地上にばらまいてしまうという場面がありました。

そのあと、その供物をどうするのかは知りません。

こうしたオダランに限らず、バリの女性の毎日はお供え物に明け暮れる日々です。

****バリ島のお供え物(バンタン)****
供物は、宗教的に特別な日にお寺に備えるものだけではなく、毎日の生活の中で家の中や職場、お店など多くの場所にお供えします。

バリ島に来た時、飛行場内のあらゆる場所でチャナンと呼ばれる小さな供物を見る事でしょう。また、街を歩いていると、お店や家の前に置かれたチャナンも目にすると思います。(中略)

****バリ島の供物の種類****
バリ島の供物の種類は、本当に星の数ほど沢山あります。

サラスワティーやガルンガンなど特別な日に捧げる供物、オダランや新月・暗月のお祈りの時にお寺に捧げる供物、結婚式やポトンギギなどの家庭の行事の時に捧げる供物、ささげる日、場所、目的によって供物は変わってきます。

さらに、土地・エリアによっても供物の形や中に入れるものが違ってきます。

チャナン(Canang):各家庭で毎日のお供え物に使う供物。供物の中でもっとも基本的なものです。
サイバン(Saiban):バナナの葉に炊き立てのご飯を載せたもの。
セガハン(Segahan):地下の悪霊に捧げる供物。悪霊が好きな赤玉ねぎや砂糖などが入っています。
チャル(Caru):家の浄化儀礼(ムチャル)などに使われる動物のいけにえ。犬などを使う事もありますが、焼いた鶏の肉を使う事が多いです。
ゲボガン(Gebogan):オダランの時などにお寺に備える大きな供物。専用の台に、リンゴやミカンなどのフルーツを色鮮やかに積み重ねてタワー状にしたもの

他にも、ポンブルシアン、ブラス、アジュマン、トゥンパン、クロンポアン、ブヌッなど多くの種類の供物があります。

「この供物は何ですか?」と、時々旅行者に尋ねられますが、長期滞在していると言っても、外国人やヒンドゥー教徒以外の人には、供物の違いや種類はよくわかりません。

チャナン(Canang)
観光客の皆さんが一番目にするのが、チャナンと言われるお供え物です。

チャナンは、お供え物の基本となるもので、ヤシの葉、バナナの葉、お花などからできています。

バリ・ヒンドゥー教徒は、このチャナンを毎日決められた場所にお線香とともに供え、聖水を振りかけます。また、朝一番の炊き立てご飯をバナナの小片に載せたサイバン(Saiban)というお供え物も、毎日のように供えます。

大きな家では、毎日50か所以上の場所にこのチャナンやサイバンをお供えするそうです。(後略)【バリ島旅行.com】
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“毎日50か所以上の場所にこのチャナンやサイバンをお供えする”・・・・家寺(サンガ)や室内にある神棚のようなプランキランはもちろん、電気のメーター、井戸水のポンプ、バイクや車、ガスレンジ、洗濯機などなど。
そして、庭や家の前の道路にもチャナンをお供えします。

これだけで1日が終わってしまいそうです。

【その隣で闘鶏に興じる男たち】
では、男たちは何をしているのか?

さきほどの小さなお寺で見かけたオダラン、その隣の空き地に男たちの人だかりが。

覗いてみると、闘鶏を楽しんでいるようです。
当然、賭けも伴います。


*****バリ島の闘鶏*****
大きいな儀式がある時、寺院では、必ず闘鶏がおこなわれます。

その時だけでは、お金をかけて闘鶏を楽しむことが出来るのです。ただし、かけたお金の一割は、お寺に寄付をしなければなりません。

お寺で闘鶏がおこなわれるのは、儀式の前に悪例を静めなければならないからです。悪例に生けにえにするためです。【http://www.baliyasui.com/japanese/bali_rekishi/bali_toukei.html】
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足に鋭いナイフを縛り付けられた戦うシャモは痛々しくもあり、戦いが始まる前にその場をはなれました。
(と言いつつも、今日の昼も夜もサテ・アヤムと呼ばれるインドネシア風焼き鳥を食べていますので、別に動物愛護を訴えるつもりもありませんが)


境内の向かいに出ていた屋台 揚げ豆腐をハサミで適当な大きさに切ったものに、もやし・ピーナッツ・唐辛子などでつくったソースをかけて食べる「タフ・グンティン」
(タフは豆腐、グンティンははさみを意味します)


辛さが気になりますが、とても美味しい料理です。



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