その道には長けた人が必ずいるものだ。
マムシにも居た。
「こんな日は出ないから場所だけ教えて」と言って入ってきた。
知人の紹介してくれたマムシの達人。
「はい。こちらです」と言って案内した。
ちょうど石垣にちょっとだけ背中が見えていた。
「ああ。マムシだね。うまく出てくるかなぁ」
と言うや否や持参してきたカマで引っ張る。
うひゃぁ。そんなことしたら私の方に飛んでくるじゃん。
すかさず彼の右後に回り込んだ私。
こんなに敏捷だったのかと自分でも驚く。
マムシ君は石垣の中に入り込む間を与えられずに2度3度のカマで、とうとう畑に引っ張り出されてしまった。
そしてカマの先でグイと押され身動きできなくされた。
達人はカマを持つ手を左に替えて右手でマムシ君のクビをつかんだ。
そして持ってきた焼酎の入っていたペットボトルに納めた。
「欲しい?」と聞く。
「いいえとんでもない」と私。
「好きな人がいるもんだから」と達人。
マムシ君を食べ物として考えている人が多いらしい。
「匂いを嗅いでみな」と言われて恐る恐る顔を近づけた。
ペットボトルのフタに穴があけられていて、そこに鼻を近づけた。
グリスの臭い。濃い油の臭いだ。
覚えた。この臭いがしたら逃げ出そう。
「まだ居そうだから、また見回りに来てみるよ」と言って達人は帰って言った。
この言葉がどれだけ私を安心させたことか。
マムシにも居た。
「こんな日は出ないから場所だけ教えて」と言って入ってきた。
知人の紹介してくれたマムシの達人。
「はい。こちらです」と言って案内した。
ちょうど石垣にちょっとだけ背中が見えていた。
「ああ。マムシだね。うまく出てくるかなぁ」
と言うや否や持参してきたカマで引っ張る。
うひゃぁ。そんなことしたら私の方に飛んでくるじゃん。
すかさず彼の右後に回り込んだ私。
こんなに敏捷だったのかと自分でも驚く。
マムシ君は石垣の中に入り込む間を与えられずに2度3度のカマで、とうとう畑に引っ張り出されてしまった。
そしてカマの先でグイと押され身動きできなくされた。
達人はカマを持つ手を左に替えて右手でマムシ君のクビをつかんだ。
そして持ってきた焼酎の入っていたペットボトルに納めた。
「欲しい?」と聞く。
「いいえとんでもない」と私。
「好きな人がいるもんだから」と達人。
マムシ君を食べ物として考えている人が多いらしい。
「匂いを嗅いでみな」と言われて恐る恐る顔を近づけた。
ペットボトルのフタに穴があけられていて、そこに鼻を近づけた。
グリスの臭い。濃い油の臭いだ。
覚えた。この臭いがしたら逃げ出そう。
「まだ居そうだから、また見回りに来てみるよ」と言って達人は帰って言った。
この言葉がどれだけ私を安心させたことか。