「遠州北は大雨注意報」が出ていた。
さんざん降り続いた雨のあとは土砂崩れ。
春野の我が家から下に続く林道は通行止めとなった。
何年か前にも同じ場所が土砂崩れを起こし電柱を倒し数日間停電となった覚えがある。
今回同じ場所とはいっても、もう少し上の土砂が崩れた。
Y爺さんが少し興奮気味に私に情報を教えてくれた。
「まだガラガラ岩が落ちていて危ない。ここから通行止めになるって」
気田川を挟んで反対側の道路から崩れた場所を撮影し帰宅した。
翌日やはり我が家の前から通行止めになっていることを確認した。
我が家の前の道路には、しっかり柵が置かれている。
道路工事の関係者や市の関係部署が入れ代わり立ち代わり車を止めて歩いて現場を見にゆく。
雨が上がって二日目になっても気田川は濁り道路上には山からの水が流れ、普段枯れたままの沢も勢いよく水が落ちている。
先日の雨の量が極端に多かったことを計り知る。
私も現場の近くまで行ってみた。
歩いて5分もかからない。
いつも車の通りは少ないが絶対通らない道は、不気味な静けさだ。
雨がいろいろなものを洗い流して、はっきり見えるようになった獣道は
「こんな急斜面を」と驚きを与える。
シャガが群生していたり木の芽が大きくなってきたり、春が満ち溢れている。
現場に近づくと道路上に大きな岩が転がっているのが見えた。
その先は岩や土が道路を覆いその上は無数の倒れた杉が斜面に沿って下を向いている。
道路を流れてきた水が、ほんの少しだけ崩れた土砂を洗っている。
「山は生きている」
そんな感想を持った。