家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

小が大を殺す

2016-08-25 15:52:30 | Weblog
山ではいつも蜂用のスプレー持ち歩く。

今日もミツバチ箱の横を通った時スズメバチに脅された。

スプレーをミツバチに掛からない方向で使用した。

「ちょっと出が悪い」

もう残りが少ないようだ。

作業を終えたあとにスプレーを使い切ってやろうとミツバチの箱に近づいた。

いつものように黄色スズメバチがミツバチを食べようと飛び回る。

ミツバチ箱には1匹のミツバチもいない。

黄色スズメバチがミツバチたちの玄関に降り立った。

隙間を、つまりミツバチたちの入口を覗いてはウロウロ歩き回る。

突然頭を入口に入れて1匹のミツバチを捕まえて外に引きずり出した。

そのとたんに30~50匹のミツバチが一瞬の間に出てきて、その黄色スズメバチを囲んだ。

本当に一瞬の出来事だった。

ピンポン玉よりも大きなミツバチの玉がその場にできた。

私は大急ぎでカメラを持ちに行き撮影を始めた。

10分、15分変わらない形。

一番外側に位置するミツバチたちは多少動くもののほとんど動かないし音も立てない。

20分に近づいたとき少し玉が小さくなったかなと感じた。

玉の下の方に位置するミツバチたちが玉から放れて奥に入り始めた。

そのうち1匹ずつ放れて中にいた黄色スズメバチが姿を現し始めた。

黄色スズメバチは、もう丸く固まったままで動かない。

最初に囚われた1匹目のミツバチもいないから生きて放たれたのだろう。

玄関に放置された黄色スズメバチをもう誰も気にしない。

私が棒でつついて動かしても、さらに棒で玄関から落としても全く関心を持たなくなっている。

知識としては知っていたミツバチの闘い方。

それを目の当たりにして興奮した。

1匹捉えられた後の行動の早かったこと。

まさに「あっ」という間とは、あのことだ。

今となっては攻撃準備が整っているところに、あの黄色スズメバチが飛び込んでしまったかのようにも感じられる。

今日も黄色スズメバチがミツバチを捉えて空中に舞い上がり真上の木で食していたのを目撃した。

判官贔屓はんがんびいき。

力の弱いものたちの団結の力で勝利したことで気分がよかった。