家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

橋の下のハト

2023-02-03 09:10:54 | Weblog

いつも通り同じ川の堤防を散歩していた。

キレイに舗装されていて桜の根がところどころ舗装を割って盛りあがりを見せていた。

ふと対岸を見ると180センチほどに延びていたアシが、いつの間にかそっくり刈り取られている。

そういえば最近の草刈りは業者が一人で来てキャタピラ式の草刈り機が一台だけあり本人はリモコンを持って付いて歩くだけだ。

そんなことを考えていると、ここを歩いてみたくなった。

橋を渡り対岸の草刈りの跡地に堤防から降り立った。

右も左も何とも新鮮な景色だ。

キレイに刈ってあったはずのアシがたまに長いままで残っていた。

コンクリート製の橋を越えると併設された鉄製の歩道橋がある。

歩くと上にハトが居た。

ハトが逃げないことを期待して少し戻ってみると、うまい具合にまだそこにいる。

スマホをそっと取り出して写真を撮った。

まだそのままだったので、今度は顔の写真を撮った。

覚悟はしていたがまだ逃げない。

よくよく見るとハトの首が鉄骨のすき間にはまってしまっている。

手を伸ばして尾を引っ張ってみるとバタバタせずに静かにしている。

これは抜け出せなくて困っているなと感じて自宅に急いだ。

脚立が無ければ上手に外してあげられない。

妻も同行してもらった。

私が首を抜くときに妻には尾の側を引っ張ってもらうかもしれない。

車で駆けつけて脚立を持って下り妻をハトの尾の側に待機してもらった。

柔らかいハトの首を引っ張ると少し伸びた。

首を引き抜くには首を一旦5センチほど上げてから抜くしかない。

脚立に乗ったら首側も尾側も持てた。

一人で首を外して体全体を外すことができた。

だがハトは既に死んでいた。

残念ながら橋の下に置いて帰宅した。

翌日いつものように散歩して橋の方を見るとカラスが2羽いた。

ハトをついばんでいる。

私が写真を撮ろうとしていると逃げていった。

翌々日また散歩で通ると、もうそのハトの姿は無くなっていた。

ハトの死が他の者のエサとなったのだなぁと感じた。