家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

名花と名車

2024-04-08 10:35:04 | Weblog

今年の桜は満開を長く続けていてくれる。

桜が咲いてからは強い雨もなかったし強風もなかった。

私は名車を購入した知人の誘いで桜鑑賞と味覚を楽しみに、そして名車の走りを感じに行った。

名車はドアを斜め上に開けるのだ。

助手席側のドアノブを引くと上に上げる感じ。

座席位置が低いので右足を入れると、続いてそのままドカッと椅子に滑り込む。

重くはないドアを下すと「ボスッ」という音と共に空気抜きのために開けられていた窓がスッと閉まる。

運転手は自分の座席をレバーひとつで定位置に戻し、ボタン一つで動き始める。

しばらく無音で滑り出すが、その次の瞬間「ガオーッ」と爆音が聞こえる。

そうこの車はハイブリッドなのだ。

エンジンを勝手に掛け暖機する。

大きな音なのだが暴走族のような耳障りな音ではない。

いかにも走りそうな、そしていかにも気持ちの良いコーナリングをしそうな雰囲気だ。

しかし如何せん車高が低いので、道路の凹凸が気になる。

それから車幅がトラックほども有るので狭い道を走行する時は気が気ではない。

エンジンが黙っている時には音楽は気持ちよく響くが一旦エンジンがかかると、その咆哮でもうエンジン音以外何も聞こえない。

音楽が聞こえないということに関してはオープンカーと同じ。

もっと言うと今乗っている古い安物の車と同じだ。

田舎のそば屋で腹ごしらえをして、そこの駐車場で写真を撮り川沿いに植えられた桜を見に行った。

ソメイヨシノは桜色という薄いピンクのはずなのに白だった。

俄か写真家がたくさん居て、それぞれが写真を撮る角度を工夫している。

また大事な人の後ろに桜を配して桜も人も美しく撮れるように頭をひねる。

街中の駐車場は行くときも渋滞帰りにもまだ渋滞していた。

美しい物は人の心を揺さぶり「見に行く」という行動に駆り立てる。

夜桜というひと味違う楽しみ方もあるから夕方からでも渋滞を我慢する価値があるのである。

私は知人の家まで駆け付けたメイトというオートバイにまたがりヘルメットのスクリーンを開けて心地良い風を感じながら帰宅した。

自宅に到着するといろいろな疲れがどっと出て無性に缶ビールを呑みたくなった。