テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

フェイクな探検隊、南へ!

2012-11-09 23:08:55 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 しゅうまつゥ~でスよッ♪」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!寒くなりそう!)

 こんにちは、ネーさです。
 寒さに備えて新たにフリースジャケットを買っちゃいました~♪♪
 ……ですが、今日ご紹介いたします一冊は、
 防寒着など全く無用で不要なジャングルが舞台!
 さあ皆さま、読書タイムですよ~! 

  



 
               ―― 探検隊の栄光 ――



 著者は荒木源(あらき・げん)さん、2012年10月に発行されました。
 『Welcome to TANKENTAI WORLD』と英語題が付されています。
 映画化もされた『ちょんまげぷりん』、『オケ老人!』他の御本で知られる作家・荒木さんの最新作は――

「たんけんたいッ!」
「ぐるるる!」(←訳:冒険だね!)

 はい!
 《やらせ》の探検隊、南へ!

「……ふァ~??」
「……がるる?」(←訳:……やらせ?)
「まさかッ!」

 はい! 
 ズバリ、そのまさか!です。
 本物どころか真っ赤なニセモノです。
 《やらせ》、なんです。
 でも。

 怒っちゃいけません。
 《やらせ》でいいんです。
 
 これは、そういうことがまだ許されていた、というか、
 大目に見られていた時代の物語なんですから。

「うむむゥ? それはァ、いつでスかッ?」
「ぐるるがるる~?」(←訳:うんと昔なの~?)

 『昭和の終わりまで数年を残した、
  西暦で言えばエイティーズ半ばのある年』

 と、御本の冒頭で描写されています。
 日本中が得体の知れない好景気に沸いたバブル時代の前哨期、あたりでしょうか。
 その頃、なかなかの人気を博しているTV番組がありました。

  《杉崎探検隊》。

 放送日時は不定期の、スペシャル番組!
 すでに6年間も続き、
 本数は40本に届こうとしている、
 某局の看板番組のひとつです!

「あァッ!それはァ!」
「がるるっ?!?」(←訳:もしやっ?!?)

 熱帯のジャングルの、道なき道をゆく探検隊員たち。
 しかし、なぜか、
 カメラは探検隊が来るのを分かっているかのように先行し、
 見知らぬ土地の樹下を照明さんは上手に照らし、
 なんともタイミングよく
 探検隊の前に謎の洞窟が姿を表す――

 テレビ界では、もはや伝説?と化しているあの番組。

 《杉崎探検隊》は、
 まさに、そ・ん・な番組です。

 今回、探検隊が追うのは
 ジャングルの奥深くに潜む伝説の大蛇『ヤーガ』。
 蛇ネタは毎回なぜか好評なんですよ。
 いつものように、地元の蛇獲り職人さんから蛇を借り、
 使えそうな洞窟もロケハンで探し出して、
 カメラさんも、
 隊長の杉崎さんも準備OKで――

「よォ~いッ!」
「がるーる!」(←訳:スタート!)

 いつものように、とは行きませんでした。
 洞窟ロケの最中、
 探検隊は思わぬアクソデントに遭遇してしまうのです。

 反政府ゲリラ、
 というアクシデントに。

「ひゃわわわわァッ!」
「ぐるぐるがる!」(←訳:予想外だよう!)

 予定調和に満ち、
 愉快爽快になる筈だった探検隊の取材行に、
 暗雲が立ちこめます。
 ロケは、どうなる?
 番組は、どうなっちゃうのか?
 TV局員でもある探検隊員さんたちの、
 運命はどう転がってゆくのか……?

「じゃんぐるゥはァ、きけんッ、なのでスゥ!」
「ぐるるがるっるっるぐるる!」(←訳:迂闊に近寄っちゃダメだよ!)

 新鮮な、同時にどこか懐かしいような、
 80’sテイストのドラマティックなサスペンスアドベンチャー!
 IC4 DESIGNさんによる印象的な装画を目印に、
 ぜひ本屋さんで手に取ってみてくださいね~♪
 
 
 

 
 
コメント
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