テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 今日はどこまで、歩こうか ~

2012-11-27 23:11:06 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 きょうはァ、ふじさんがァ、びゅーてぃほォー!」
「がるる!ぐるぐるがるる!」(←訳:虎です!絶景富嶽でした!)

 こんにちは、ネーさです。
 今日の空気は特別にきれいだったのかしら、
 白く雪をいただいた富士の峰がここ・東京八王子からもよく見えましたよ♪

「なんだかぁ、いいことッ、ありそうゥッ!」
「ぐる!」(←訳:だね!)

 ほっこり気分にさせてくれるのは、
 この御本も同じですよ♪
 本日の読書タイムは、はい、こちらを、どうぞ~!

  



 
                ―― とにかく散歩いたしましょう ――



 
 著者は小川洋子さん、2012年7月に発行されました。
 先日は、小川さんの小説作品『最果てアーケード』を御紹介いたしましたが、
 こちらはエッセイ作品です。
 2008年6月10日~2012年3月14日の間、
 『毎日新聞』に毎月一度連載されていた
 《楽あれば苦あり》を改題して――

「さんぽのォ、ごほんがァ、できましたッ♪」
「がるぐる~がる!」(←訳:いいよね~散歩!)

 あのですね、
 散歩専門書とか散歩指南書ではないんですよ、この御本は。
 散歩について書かれた作品もありますが、
 小川さんの興味と視線は
 も~っと広く、
 ずんずんと外へ、
 時にはじっくりと内側へ向かいます。

 『本棚の模様替え』――
 活字マニアさんなら経験がおありでしょう、
 書棚の整理をしていて久しぶりに読み直した本のストーリーが
 ……なんだか違ってるんです、記憶の中のそれとは。

「ううッ、あるかもォッ!」
「ぐるるるがるるる!」(←訳:あります心当たり!)

 『ふと、どこからともなく』――
 或る日、《ふと》やってくるもの。
 何処からともなく、《ふと》。
 そんな風に、
 チェスの駒が小川さんのもとに転がり落ちてきて、
 500枚に及ぶ《少年がたたひたすらチェスをしているだけの小説》が
 誕生したのでした。

 『浮き輪クッキーが戻ってきた』――
 甘く、ちょっぴり切なく、
 けれど読み手の私たちは大いに共感しちゃう幼少時の想いと、
 小さな奇跡……。

「あッ!
 やッとォ、わんこがァ、でてきたでスゥ!」
「がるがるぐるる?!?」(←訳:いよいよお散歩?!?)

 小川さんと一緒に散歩をするのは、
 ラブラドール犬のラブ君です。

 朝夕、毎日毎日、ラブ君とお散歩。
 インフルエンザで40度近い熱があった日も、
 台風で暴風雨警報が出されていた日も、
 小川さんとラブ君はともに歩きました。

 ワンコと歩く作家さん……。
 なぜか私ネーさ、
 京都の『哲学の道』を想い起こしました。
 サクラの春も、
 冬の雪も、
 なんでもないことのように、
 作家さんとワンコは連れ立って、歩く、歩く……

 思索しながら、
 ワールドカップのサッカー選手のように
 誇らしい気持ちになりながら。

「のぼれッ、さかみちィ!」
「がるるぅ!」(←訳:よいしょ!)

 御本の題名の意味は、
 『あとがき』で明かされます。
 小川さんが《散歩》を必要とする理由も。

 表紙装画は、寺田順三さんによる可愛いラブ君♪
 好奇心いっぱい?なこのラブ君が描かれたこの御本を、
 ぜひ手に取ってみてくださいね~!

「きょうはァ、どこまでェ、あるこうかッ♪」
「ぐる!がるるるぐるがる!」(←訳:さあ!お散歩タイムです!)


コメント
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