テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 今日も、探し続ける ―

2019-06-06 22:41:11 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ならびィ~ましたでス」
「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!6月6日だよ!)

 こんにちは、ネーさです。
 今日6月6日は、お稽古事を始めるのに最良♪とされる日ですね。
 日本中のあちこちで、
 書道や花道や舞、
 外国語や水泳やサッカーの教室で
 第一歩を踏み出すチビっ子たちに幸あれ!と願いながら、
 さあ、本日も読書タイムは、
 こちらの御本を、どうぞ~♫
 
  


 
         ―― 償いの雪が降る ――



 著者はアレン・エスケンスさん、
 原著は2014年に、画像の日本語版は2018年12月に発行されました。
 英語原題は『The Life We Bury』、
 著者・エスケンスさんのデビュー作であるこの長編ミステリは、
 バリー賞を受賞した他にも
 エドガー賞やアンソニー章にノミネート!
 米国のさまざまなメディアでベストブックスに選出されたり、と
 日本語訳版が待望されていた作品です。

「みすてりィだけどォ~」
「ぐるるるるるる!」(←訳:サスペンスフル!)

 もう何年も前のできごと。

 とっくに容疑者は逮捕されて捜査は終わり、
 裁判で判決が下ったのち、
 被告人は収監――

 そんな“今さら”感が満載の事件を
 あらためて調べる羽目になったのは、
 ミネソタ大学の学生、
 ジョー・タルバートくんです。

「だッてェ、しかたないィんでスゥ!」
「がるるぐるがるるる~」(←訳:授業の課題だからね~)

 伝記執筆、というのが、
 ジョーくんが選択した授業の課題、なんですね。

 身近な年輩者さんにインタビューをして、
 彼/彼女の伝記を書き、
 提出しなければなりません。

 けれど、ジョーくんの身辺には、
 伝記を書きたい!
 と思えるような年輩者さんがいなくて。

「うむむゥ! ならばッ!」
「ぐるるるがるるる?」(←訳:こんなのどうかな?)

 ジョーくんが車に乗って向かったのは、
 郊外の介護施設。

 こういった介護施設には
 すごい経験をしてきた人たちがいる……
 はずだよな?

「はずゥでス!」
「がぅる!ぐる!」(←訳:ほぉら!いた!)

 ええ、いました。
 ジョーくんがインタビューをすることになったのは、
 凶悪な犯罪者として逮捕され、
 刑に服していた或る人物、なのですが。

 なぜいま、その重犯罪者が
 刑務所ではなく
 介護施設に居るのか、というと。

「……もしかしてェ?」
「ぐるがる?」(←訳:病気なの?)

 カールという名の元服役囚は、
 余命宣告を受けた重病人です。
 残されている時間は少ない、と自分で言い、
 ジョーくんにインタビューを許可するのですが、
 それはつまり。

 彼の過去を語ること。
 どんな犯罪を起こして逮捕されたのかを、語ること。

 或いは、
 起こさなかったのかを、語ること。

「んッ??」
「がるるるるっる?」(←訳:起こさなかった?)

 逮捕はされた、
 判決は出て服役した、
 それでも。

 話を聞くほどに、
 ジョーくんの胸に疑念が湧きます。
 疑念は、より強く、濃くなってゆきます。

 目の前のこの人物は、
 本当に犯罪者なんだろうか――

「やぱりィ!」
「ぐるがっるぅるる~!」(←訳:そう思っちゃうよ~!)

 裕福ではない、
 いつだってギリギリ、
 必死に毎日を生きるジョーくんだからこそ、
 理解も共鳴もできる、
 疑念と希望。
 そして探究。

 あの日、何が起きたのか――

 ミステリの根幹とも言えるテーマを
 見事に体現するこの御本は、
 ミステリ好きな方々だけでなく
 全活字マニアさんにおすすめです!
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪
 

 
 
コメント
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