テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 火星の夢 ~

2019-06-17 23:00:03 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きょうはァ、まんげつゥでスよゥ!」
「がるる!ぐるるるるーがーる!」(←訳:虎です!ストロベリームーン!)

 こんにちは、ネーさです。
 今日6月17日に昇るお月さまは、
 赤色がかって見える……?
 恋愛運が上がる……?
 ホントかなぁ?と首を傾げたりしながらの本日の読書タイムは、
 こちらのSF作品を、さあ、どうぞ~♪

  


 
         ―― 火星無期懲役 ――



 著者はS・J・モーデンさん、
 原著は2018年に、画像の日本語版は2019年4月に発行されました。
 英語原題は『ONE WAY』、
 はい、SFであり、ミステリであり、サスペンスでもある
 エンタ度満点の野心作がやって来ましたよ♫

「ぶたいィはァ、かせいィ!」
「ぐるる!」(←訳:赤い星!)

 神話の軍神アレスを象徴とし、
 夜空に赤く輝く星――火星。

 火星を舞台にした物語には
 ブラッドベリさん著『火星年代記』、
 C・L・ムーアさん著『シャンブロウ』など
 傑作が少なくありません。

 では、この御本も……?

「いえいえッ、まずはァ~」
「がるるるぐるるるぅ!」(←訳:地球から始めましょ!)

 『地球の緑の丘』という
 SF界ではよく知られる名セリフを最初に使ったのは
 C・L・ムーアさんだと言われていますが
 (《ノースウエスト・スミス》シリーズ中の『スターストーンを求めて』)、
 緑どころか、
 灰色にくすんでいるそこは……

 刑務所の内部。

「わうううゥ! こわいィでスゥ!」
「ぐるるがるるるぐる……!」(←訳:自由のカケラもない……!)

 重罪犯として、
 長期の刑に服役しているフランクリン・キットリッジさん、
 通称フランクさんは、
 不思議な、いえ、面妖な面会人から
 面妖な取引きを切り出されました。

 きみの持つ技能、
 建築の技術を活かしてみないか?

 火星で。

「……うまいィはなしィにはァ~」
「……がるぐる!」(←訳:……裏がある!)

 そう、美味い話には裏があったんです。

 火星基地建設プロジェクトの先遣隊として、
 現地で基地の基礎を組み立てる、
 インフラ整備をする、
 水を、食糧を、空気を、
 何もかも準備しておけ。

「めッ、めいれいィでスかッ?」
「ぐるがる??」(←訳:絶対服従??)

 美味い話の、これが真実。

 刑務所の塀が、
 火星の砂漠に変わっただけで、
 自由など何処にもない――

 ただ、フランクさんは
 或る望み、
 或る希望を抱いていたんです。

  《もう一度人間扱いされるかもしれない》

 その希望に抗うことは
 出来ませんでした。

「じゃあァ、かせいィにィ??」
「がるるるー!」(←訳:行くんだー!)

 おそらくは捨て駒にされるのだと、
 解っていながらも、
 取引きに乗ったフランクさん。

 彼の未来は?
 ささやかな望みが叶う日は来るんでしょうか?

「しィッ! それいじょうゥはァ~」
「ぐるがる!」(←訳:秘密だよ!)

 はい、これ以上のネタばらしは厳禁ですので、
 ミステリ好きさんも
 サスペンス好きな活字マニアさんも、
 火星SF大好物!な方々も、
 ぜひ、本屋さんで御本を手に取ってみてくださいね。

 2019年度のベストSFランキング上位入選ほぼ確実な一冊、
 おすすめです!
 
 
 
 
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