テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

波乱の《宮殿群像劇》!

2019-06-04 23:21:14 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 つぎィはァ、つーるゥなのでス!」
「がるる!ぐるがるぐるる!」(←訳:虎です!夢の王座だねえ!)

 こんにちは、ネーさです。
 ええ、《ジロ・ディ・イタリア》の次は、
 ロードレース界最大の祭典《ツール・ド・フランス》!
 おっと、その前に御報告しておきましょう、
 《ツール・ド・熊野2019》の総合優勝者は、
 オールイス・アルベルト・アウラールさん
 (国籍はベネズエラ、所属チームはマトリックスパワータグ)!
 ジロと同じく南米系の選手さんが優勝するとは……
 もしや7月のツールでも南米の選手さんが……?と期待しながら、
 さあ、ここからは読書タイムですよ。
 本日は、こちらの歴史ノンフィクション作品を、どうぞ~♪

  


 
      ―― ヴェルサイユ宮殿 影の主役たち ――



 著者はジャック・ルヴロンさん、原著は1967年に、
 画像の日本語版は2019年4月に発行されました。
 仏語原題は『LES INCONNUS DE VERSAILLES:Les coulisses de la cour』、
 『世界一華麗な王宮を支えた人々』と日本語副題が付されています。

 原著初版が刊行されて50年余、
 フランスでは今も版を重ねて読み継がれているこの御本は、
 難しい学術書ではありません。

「よみやすくッてェ~」
「ぐるるがるぐーるるがる!」(←訳:漫画のあのシーンに直結!)

 映画も小説も歴史書にも取り上げられている
 フランスのヴェルサイユ宮殿。

 私たち日本人にとっていちばん馴染みやすいのは、
 池田理代子さん作の漫画『ベルサイユのばら』、
 そして同作品を舞台化した
 宝塚歌劇の『ベルサイユのばら』でしょうか。

 『ベルサイユのばら』こと『ベルばら』の主な舞台であった
 ヴェルサイユ宮殿は、
 パリの南西22キロ、
 イヴリーヌ県ヴェルサイユにありますが、
 もともとは離宮として建てられたのだそうです。

「せかいィぶんかァいさんッ、でスよッ!」
「がるるるるぐる!」(←訳:1979年登録!)

 現在はフランス最大級の観光施設となった
 ヴェルサイユ宮殿が、
 “現役”の宮殿だった頃――
 つまり政治の中心地であった頃は、
 はたしてどのような姿をしていたのかというと。

 次の一文で、
 なんとなく見えてくるかもしれませんね。

  《4000人を超える使用人たち》

「よんせんにんッ?」
「ぐるるるるがるる!」(←訳:使用人さんだけで!)

 そうなのよね、
 使用人さんが4000人、
 ここに住人である王族さんと、
 宮殿を訪問する貴族さん軍人さん政治家さん聖職者さん、
 そして訪問者さんたち各々の従者さんたち、
 と加算してゆくと……

「あうゥ、とほうもォないィでス!」
「がるるぐるるる!」(←訳:大都市みたいだ!)

 都市にも匹敵するこの宮殿を、
 “生きた空間”にしていたのはどんな人物たちであったかを、
 著者・ルヴロンさんは
 19の章に分けて描き出します。

 料理人、ソムリエ、配膳係、
 消防士、音楽家、盗人やスリ、
 貴族夫人付きの侍女たち、錠前師……

「ふゥ! かぞえェきれないィでス!」
「ぐるるがるるるぐる!」(←訳:ありとあらゆる職種!)

 私ネーさが、ほほぅ!と感嘆しつつ読みふけったのは、
 第4章『水の魔術師フランシーヌ一族』と、
 第7章『王室主馬頭ブリオンヌ夫人』。

 ヴェルサイユ宮殿の造園家として
 よく知られているのは、ル・ノートルさん。
 ですが、噴水を設計し、
 製作するために水路を引き、
 噴水用ポンプを発明したりしたのは、
 イタリア出身のフランシーヌ一族でした。
 その有能ぶりは、ル・ノートルさん以上かも?
 
 一方、主馬頭ブリオンヌ夫人は、
 ルイ15世時代のキャリアウーマン?
 と言ったらいいのかしら……。

「きゅうていィせいかつゥはァ~」
「がるるぐるるがるるるる!」(←訳:知恵も工夫も必要なんだ!)

 王さまから泥棒まで、
 思いのほか《自由》に出入り可能な、
 宮殿という空間。

 『ベルばら』好きな方々には特に、
 歴史好きな活字マニアさんにもぜひ
 おすすめしたい《王宮群像劇》、
 本屋さんで、図書館で、
 探してみてくださいね~♪
 

 
コメント
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