「こんにちわッ、テディちゃでス!
むむッ! これはァ、いわゆるゥ~…?」
「がるる!ぐるるるがる?」(←訳:虎です!季節モノかな?)
こんにちは、ネーさです。
“ものがたり”の世界で夏季に恒例のモノといえば、
怖~い話……ではありますが、
本日の読書タイムは、
怖いだけでは済まされないこちらの御本を、
さあ、どうぞ~♪
―― 今昔百鬼拾遺 鬼 ――
著者は京極夏彦(きょうごく・なつひこ)さん、2019年4月に発行されました。
おそらく、著者・京極さんのデビュー時からのファンの方々は、
懐かしくも嬉しい思いで胸がいっぱいになるんじゃないかしら♫
「もしやッ、あのォふるほんやさんがァ~…!」
「ぐっるるるるっ??」(←訳:帰ってくるのっ??)
えーと、あのぅ、そうねえ、
その答えを言っちゃうと……NOです。
「えええッ?」
「がるる!」(←訳:そんな!)
『姑獲鳥の夏』『魍魎の匣』『鉄鼠の檻』などなど
ミステリファンを魅了する《京極堂》シリーズは、
ここのところ休演中のようで、
寂しい思いをしておりましたが、
その寂しさを埋めるかのように
スピンオフ的な新シリーズが開幕しました。
古書店主にして神職でもある《京極堂》こと
中禅寺秋彦(ちゅうぜんじ・あきひこ)さんの妹、
敦子(あつこ)さん。
そして、或る事件で中禅寺さんと知り合いになった女学生、
呉美由紀(くれ・みゆき)さん。
新シリースを引っ張るのは、
このおふたり――
敦子さんと美由紀さんです。
「あれッ? ふるほんやさんはッ??」
「ぐるがるるる??」(←訳:出て来ないの??)
それがね、
美由紀さんもね、
始めは《京極堂》さんに相談したい、と考えたんですけど。
別の事件が進行中なもので、
《京極堂》さんも、
お仲間の文士先生・関口さん、
薔薇十字探偵・榎木津礼二郎さんも、
忙しくて手が離せず、
妹の敦子さんが兄の代理として
美由紀さんと会うことになったのでした。
「くんくんッ! においまスゥ!」
「がるるぐるる!」(←訳:事件の匂いだ!)
昭和29年、3月。
新聞の見出しとなり、世を騒がせていたのは、
《昭和の辻斬り事件》。
そして、駒澤野球場周辺で発生した連続通り魔事件の
7人目の被害者は……
美由紀さんの友人の
片倉ハル子さん、だったんです。
「ひいィッ!」
「ぐるぅ!」
しかし。
警察は事件現場で容疑者を確保、
容疑者も犯行を認めました。
ハル子さんを救うことは出来なかったものの、
これで事件は解決した、と
多くの人は思った……はず。
「ただァ、ひとりィ?」
「がるるるるるぐるる!」(←訳:美由紀さんを除いて!)
事件についての新聞報道を読んでも、
美由紀さんは腑に落ちません。
証拠がある、
証明できる、のではないんですけど、
納得しかねることばかりで、
敦子さんとともに
あらためて事件の細部を調べてみれば。
「ころがりィだすのはァ~…」
「ぐるるるがる!」(←訳:さらなる疑問!)
ネタバレ回避のため、
これ以上はお喋り出来ないのですが、
昭和29年という時代背景を
“もうひとつの主役”に据えた物語は、
前半はゆっくりと、
後半は走って走って走って、
嵐のような結末へ……!
「あッとうゥてきィ!」
「がる!」(←訳:圧巻!)
罪とは、いかなるものか。
罪に、いかように立ち向かうべきか。
物語の終盤での、
美由紀さんの叫びが、涙が、訴えが、
読み手の胸を打ちます。
シンプルだけど、真実。
きれいごとだけれど、きれいごとで終わらせちゃいけない。
腹の底からの、叫び。
この叫びには
耳を傾ける価値があります。
ミステリ好きさんも
エンタ好きさんも、
どうかぜひ、一読してみて下さいね。
激おすすめです!
むむッ! これはァ、いわゆるゥ~…?」
「がるる!ぐるるるがる?」(←訳:虎です!季節モノかな?)
こんにちは、ネーさです。
“ものがたり”の世界で夏季に恒例のモノといえば、
怖~い話……ではありますが、
本日の読書タイムは、
怖いだけでは済まされないこちらの御本を、
さあ、どうぞ~♪
―― 今昔百鬼拾遺 鬼 ――
著者は京極夏彦(きょうごく・なつひこ)さん、2019年4月に発行されました。
おそらく、著者・京極さんのデビュー時からのファンの方々は、
懐かしくも嬉しい思いで胸がいっぱいになるんじゃないかしら♫
「もしやッ、あのォふるほんやさんがァ~…!」
「ぐっるるるるっ??」(←訳:帰ってくるのっ??)
えーと、あのぅ、そうねえ、
その答えを言っちゃうと……NOです。
「えええッ?」
「がるる!」(←訳:そんな!)
『姑獲鳥の夏』『魍魎の匣』『鉄鼠の檻』などなど
ミステリファンを魅了する《京極堂》シリーズは、
ここのところ休演中のようで、
寂しい思いをしておりましたが、
その寂しさを埋めるかのように
スピンオフ的な新シリーズが開幕しました。
古書店主にして神職でもある《京極堂》こと
中禅寺秋彦(ちゅうぜんじ・あきひこ)さんの妹、
敦子(あつこ)さん。
そして、或る事件で中禅寺さんと知り合いになった女学生、
呉美由紀(くれ・みゆき)さん。
新シリースを引っ張るのは、
このおふたり――
敦子さんと美由紀さんです。
「あれッ? ふるほんやさんはッ??」
「ぐるがるるる??」(←訳:出て来ないの??)
それがね、
美由紀さんもね、
始めは《京極堂》さんに相談したい、と考えたんですけど。
別の事件が進行中なもので、
《京極堂》さんも、
お仲間の文士先生・関口さん、
薔薇十字探偵・榎木津礼二郎さんも、
忙しくて手が離せず、
妹の敦子さんが兄の代理として
美由紀さんと会うことになったのでした。
「くんくんッ! においまスゥ!」
「がるるぐるる!」(←訳:事件の匂いだ!)
昭和29年、3月。
新聞の見出しとなり、世を騒がせていたのは、
《昭和の辻斬り事件》。
そして、駒澤野球場周辺で発生した連続通り魔事件の
7人目の被害者は……
美由紀さんの友人の
片倉ハル子さん、だったんです。
「ひいィッ!」
「ぐるぅ!」
しかし。
警察は事件現場で容疑者を確保、
容疑者も犯行を認めました。
ハル子さんを救うことは出来なかったものの、
これで事件は解決した、と
多くの人は思った……はず。
「ただァ、ひとりィ?」
「がるるるるるぐるる!」(←訳:美由紀さんを除いて!)
事件についての新聞報道を読んでも、
美由紀さんは腑に落ちません。
証拠がある、
証明できる、のではないんですけど、
納得しかねることばかりで、
敦子さんとともに
あらためて事件の細部を調べてみれば。
「ころがりィだすのはァ~…」
「ぐるるるがる!」(←訳:さらなる疑問!)
ネタバレ回避のため、
これ以上はお喋り出来ないのですが、
昭和29年という時代背景を
“もうひとつの主役”に据えた物語は、
前半はゆっくりと、
後半は走って走って走って、
嵐のような結末へ……!
「あッとうゥてきィ!」
「がる!」(←訳:圧巻!)
罪とは、いかなるものか。
罪に、いかように立ち向かうべきか。
物語の終盤での、
美由紀さんの叫びが、涙が、訴えが、
読み手の胸を打ちます。
シンプルだけど、真実。
きれいごとだけれど、きれいごとで終わらせちゃいけない。
腹の底からの、叫び。
この叫びには
耳を傾ける価値があります。
ミステリ好きさんも
エンタ好きさんも、
どうかぜひ、一読してみて下さいね。
激おすすめです!