テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

花の都で、遠島の刑?

2019-06-30 22:44:06 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 はッ、はやいィ~ッ!」
「がるる!ぐる~!」(←訳:虎です!強い~!)

 こんにちは、ネーさです。
 陸上競技の日本選手権で、
 100mに続き200mもサニブラウン・ハキーム選手が制覇!
 はぁ……200mを20秒チョイでちゃちゃっと移動って……
 超運動音痴の私ネーさにとりましては
 異次元、いえ、異世界の数字でございます。
 羨望とともに拍手を送りながら、
 さあ、ここからは読書タイムですよ。 
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
       ―― パリ警視庁迷宮捜査班 ――



 著者はソフィー・エナフさん、
 原著は2015年に、画像の日本語版は2019年5月に発行されました。
 仏語原題は『POULETS GRILLES』、
 本国フランスで人気のミステリがめでたくも日本上陸です♫

「ぼんじゅゥ~るゥ、ぱりィ!」
「ぐるるるるがるるる!」(←訳:おフランスミステリ!)

 花の都パリを舞台にしたミステリといえば、
 そうね、もちろん、
 パリの警視庁を抜きにしては語れないわ。

 ガニマール警部の昔から、
 パリきっての、いえ、フランスきっての
 優秀な警察官さんたちが集う
 シテ島のパり司法警察局――

 ではなくて。

「あれッ? あれれッ???」
「がるぐるぅ?」(←訳:ここどこぉ?)

 ここは、パリ1区イノサン通り3番地。

 パリ市内で最も古い歴史を持つシテ島の、
 4区側に位置する警視庁とは
 明らかに異なる6階建ての建物には、
 幸いにもエレベーターはあるものの、
 老巧化している箇所もちらほら。

 そう、ここが本日付をもって開設される
 パリ警視庁《特別班》の本部なんです。

「つくえッ、かたむいてェまスゥ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:床にもへこみが!)

 脚が欠けた机は傾き、
 壁はくすみ、
 床に置かれた電話機は骨董品のよう。

 到底、エリート警察官が勤務する部署とは
 思えませんが、
 《特別班》を率いる
 アンヌ・カペスタンさんは、
 諦めの境地といったところでしょうか。

「もしかしてェ、もしかァするとォ?」
「がっるぅっる?」(←訳:やっちゃった?)

 カペスタンさんは、パリ司法警察の警視正。
 何事もなければ今後も出世街道をまっしぐらだったのに、
 ええ、ある事件の捜査が原因で
 停職処分になってしまいました。

 そして、処分が解けたカペスタンさんを待っていたのは、
 この《特別班》の部屋と、
 40人ほどの
 “戦力外”警察官さんたち。

「みんなァ、もんだいじィ?」
「ぐるるがるる?」(←訳:規格外ばかり?)

 早い話が、
 カペスタンさんは
 厄介払いされたのでした。

 パリ警視庁の問題児や困り者たちと、
 未解決事件の書類が詰まった段ボール箱を押し付けられ、
 イノサン通りの古オフィスへ
 “遠島の刑”。

「ふふんッ! てぬるいィ~でス!」
「がるるるぐるる!」(←訳:メゲないもんね!)

 厄介払いされた優秀な捜査官と、
 未解決事件の書類。

 そう聞くと、
 多くのミステリ好きさんは
 大ヒットした北欧ミステリ《特捜部Q》を真似たのか?
 と勘繰りたくなるでしょうけれど。

 やってくれます、パリ警視庁《特別班》!

「こうどうりょくゥ!」
「ぐるる!」(←訳:想像力!)

 何より素晴らしいのが
 カペスタンさんのもとに集結した
 問題児警察官さんたち。

 個性が服を着て歩いているかのような
 《特別班》の問題児たちが
 手に手を取り合っうて危機に立ち向かえば、
 もはや敵なし?

「めがァ、はなせないィでス!」
「がるるるぐる!」(←訳:一気読みだよ!)

 フランスにもこういうミステリがあるのね!と
 嬉しくなってしまうエンタな物語は
 海外小説好きな方々におすすめです。
 本屋さんで、図書館で、
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪
 
 
 
 
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