テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

あやし~い新喜劇♪

2019-06-07 22:30:27 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 つゆいりィ~しちゃッたでスゥ!」
「がるる!ぐるがる~!」(←訳:虎です!湿度高し~!)

 こんにちは、ネーさです。
 雨続きの季節は憂鬱……とは限らなくて、
 ドライアイ体質の私にはちょこっと嬉しくもあります♪
 その嬉しさを糧に、
 本日の読書タイムは、こちらの御本を、
 さあ、どうぞ~!
 
  


 
      ―― 一鬼夜行 つくも神会議 ――



 著者は小松エメルさん、2019年3月に発行されました。
 明治時代を背景とする人気シリーズ《一鬼夜行》の最新刊です。

「めいじィ~なんだけどォ?」
「ぐるるるがるる?」(←訳:ココロはお江戸?)

 2010年に開幕した《一鬼夜行》シリーズ第1作である
 『一鬼夜行』は、
 徳川幕府が崩壊して5年を経た“脱江戸期”の
 東京が舞台になっています。

 でも、東京という街の形がまだまだ整っていないのと同様に、
 ヒトの心も、
 ヒトでないモノたちも、
 江戸の空気を引きずっているかのようで。

「ここにはァ、けんざいィなのでス!」
「がるぐる!」(←訳:妖怪がね!)

 第一作『一鬼夜行』は、
 或る夜の不思議な出来事から始まりました。

 顔が怖い。

 それはもう、閻魔大王様さながらの
 おっかない顔立ちをしている
 喜蔵(きぞう)さんのお家の庭へ、
 落っこちてきたのは
 妖怪の小春(こはる)くん。

 以来、小春くんは
 喜蔵さんが営む古道具屋《荻の屋(おぎのや)》に
 居候することになって、
 数々の事件を起こしたり?巻き込まれたり?
 というのが《一鬼夜行》シリーズの
 メインストリームなのですが。

 この『つくも神会議』は、
 少しばかり脇道に逸れてみて――

「わきィやくゥがァ~」
「ぐるる!」(←訳:主役に!)

 《荻の屋》は古道具屋さんですから、
 台所用品や文房具、髪飾りなどなど、
 古~い道具類が店内を占領しています。

 いえ、実は、道具……じゃないんですけどね。

「てがァ、ありまスゥ!」
「がるぐるる!」(←訳:足もあるよ!)

 そう、年古りて、
 道具たちは付喪神(つくもがみ)になっていました。
 この御本で、いちばん賑やかなのは、
 喜蔵さんたちよりも、彼ら付喪神たち。

 この御本にはプロローグとエピローグを含め
 短編8作品が収録されていますが、
 《一鬼夜行》シリーズ初心者さんにもおすすめなのは、
 『付喪神会議』でしょうか。

 《荻の屋》に住まう(棲まう?)付喪神たち、
 そして《荻の屋》がある浅草界隈の付喪神たちは
 額を突き合わせて
 『付喪神会議』の真っ最中です。

 かつては縄張り争い、
 現在は流入する異国の文化に対抗するための
 相互扶助的話し合い、をするのが
 付喪神会議の目的……だと思ったら。

「くもゆきィ、あやしィ~!」
「ぐるるがるるるぅ!」(←訳:喧嘩だケンカだぁ!)

 デイリーユースな古道具から付喪神に進化。

 高価な古美術品から付喪神に進化。

 どっちの付喪神がエラいんだ?

「えッ? ええェ~とォ?」
「が~るる?」(←訳:う~んと?)

 こりゃ新喜劇か?
 とニヤリとさせられる迷路のような論争は
 どこへ流れ着くのか――

 ひとクセもふたクセもある
 妖怪たちと人間たちが行き交う《一鬼夜行》シリーズ、
 時代ものが好きな方々は、
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪



 
  
コメント
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