テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 《グリム》の枝道 ~

2019-06-10 22:11:46 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 きょうはァ~ちくッたくゥ!」
「がるる!ぐるがるるぐる!」(←訳:虎です!時の記念日です!)

 こんにちは、ネーさです。
 今日6月10日は《時の記念日》――
 いえ、ダジャレとかじゃなくてですね、
 天智天皇の時代、
 日本で初めて時計(水時計)が鐘を打った日が6月10日、
 なのだそうです。
 そこで、読書タイムもぐいっと時間を遡ることにして、
 本日は、こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪
 
  


 
         ―― グリムの森へ ――



 著者は収録順に(せーの!)、
 高村薫さん、松本侑子さん、阿川佐和子さん、大庭みな子さん、
 津島佑子さん、中沢けいさん、木場さと子さん、皆川博子さん、
 2015年3月に発行されました。

「むむッ? ぐりむゥどうわァ、でスかッ?」
「ぐるるがる~…ぐるっ?」(←訳:どこか違う~…かもッ?)

 ヤーコプ・グリムさん(1785~1863)と
 ヴィルヘルム・グリムさん(1786~1859)の
 グリム兄弟によって収集、出版された《グリム童話》。

 厳密に言えば、
 『子どもと家庭のメルヒェン』が正式名称だとか、
 ヤーコプさんヴィルヘルムさんたちは
 ごくシンプルに『昔話』と呼んでいたとか、
 同じ御話でも幾つものヴァージョンがあるとか、
 まあツッコミどころは色々あるんですけど、
 そこらへんは措いておいて。

 いざ!
 広く世に知られる名作童話を、
 好みのテイストにアレンジ!

「ふッふッ♪ かえェちゃうゥぞォ~♫」
「がっるぐっるる!」(←訳:あっちこっちを!)

 変えちゃう、といっても、
 原型が分からなくなるほど改変する、のではありません。

 原作をリスペクトしつつ、
 作家さんたち独自の視点から
 少~し味付けし直す……
 そんな感じでしょうか。

 高村薫さんは『ブレーメンの音楽隊』を。

 松本侑子さんは『カエルの王様、そして忠臣ハインリッヒ』、
 『兄さんと妹』を。

 阿川佐和子さんは『いばら姫』を。

 津島佑子さんは『めっけ鳥』を。

 中沢けいさんは『赤ずきんちゃん』『つぐみひげの王様』を。

 大庭みな子さんは『ヘンゼルとグレーテル』を。

 木崎さと子さんは『星の銀貨』を。

 皆川博子さんは『青髭』を。

「あはァ! ぶれーめんッ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:青髭もいるんだ!)

 どこがどう原作と違うのか、
 ここで記すことは控えますが、
 この御本の素晴らしさは
 挿絵がある!という点です。

 ウォルター・クレーンさん、
 ハインリッヒ・フォーゲラーさんといった名画家さんの他に、
 グリム兄弟の末っ子
 ルートヴィッヒ・エーミール・グリムさんの
 挿絵も掲載されているんですよ♪

「これはァ、めずらしィかもッ!」
「がるるぐる!」(←訳:初めて見た!)

 巻末部分には、
 上田萬年さん訳『おほかみ』(翻訳されたのは1889年!)と、
 橋本孝さん、野口芳子さん、岩井方男さん、
 阿部謹也さんのエッセイも収録されています。

 実は、この御本が最初に単行本として刊行されたのは、
 2001年のことでした。

 もしもいま、
 20年近くの時間が経過したこの2019年――
 多様性やジェンダーレスが当然とされている現在に
 高村薫さん阿川佐和子さんたちが
 《グリム童話》をアレンジするお仕事に取り掛かったら……
 なぁんて考えると、
 ニヤリ♫としてしまいますね。

「ぷふふッ♪」
「ぐるる♫」

 歴史好きな活字マニアさんに、
 挿絵本が大好きなアートマニアさんにも
 おすすめしたい新版《グリム童話》、
 ぜひ、一読してみてくださいな♪


コメント
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