「こんにちわッ、テディちゃでス!
やッたでスねッ、たんたんくんッ!」
「がるる!ぐるがるるるる!」(←訳:虎です!人気あるんだよ!)
こんにちは、ネーさです。
今月8日のこと、
ベルギーの漫画家エツジェさんの人気作《タンタン》シリーズの、
『タンタン、ソビエトへ』表紙絵が競売にかけられ、
112万ドル(一億二千万円)で落札されました!
さすがタンタンくん!と感心しながら、
本日の読書タイムは
タンタンくんと同じく20世紀前半の
《絵のある本》を特集するこちらのアートブックを、
さあ、どうぞ~♪
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―― 美しい挿絵で見る!おとぎ話の世界 ――
㈱総合図書から2017年5月に発行されたMOOK本には、
『挿絵黄金期の画家たちによる魅惑の空想世界に浸る』と
副題が付されています。
前回記事で御紹介しました『グリムの森へ』に
挿絵が多数掲載されていたことはお伝えしましたが、
文庫である『グリムの森へ』では、
挿絵のサイズが小さくて、
モノクロであったのに比べて――
「こッちはァ、からふるゥ~でス!」
「ぐるがるっるぐるるぅ♫」(←訳:色があるっていいなぁ♫)
エルジェさんが《タンタン》シリーズの制作を始めたのは、
1920年代から、とされています。
画面一杯に描き込まれたオシャレな小道具、
最新流行のファッション、
建築の描写もすっきりしていて、
全体のスタイルは完全にアールデコ。
対して、
名作と謳われる《挿絵黄金期》の作品は、
殆どが20世紀初頭から1930年代に制作されています。
なので、スタイル的には
アールデコよりも
アールヌーヴォーに近い、と申せましょうか。
ただ、意外と言ってはナンなんですけれど、
《黄金期》の挿絵本って、
“自由”なんです。
「てーまッ、なんでもォありィ!」
「がるぐる~!」(←訳:制限無用~!)
シェイクスピア作品に
アラビアンナイトの中東世界、
グリム童話では中世を、
アンデルセン童話の近代社会、
『不思議の国のアリス』のパンク&シュール、
日本や中国など東洋の伝説や、
E・A・ポーさんのホラーな物語も、
挿絵画家さんたちは
見事に描きあげてみせました。
逆説的ではありますが、
タンタンくん風のアールデコスタイルだと、
この“自由”さについてゆけない、のよね。
だって、タンタンくんの画調で
ポーさんの『赤死病の仮面』や
『アッシャー家』の挿絵を描いても、
あの禍々しい怖さが出ないでしょ?
「たいせつゥなのはァ~…」
「ぐるる!」(←訳:雰囲気!)
この御本の中で
とりわけ注目していただきたいのは、
エドマンド・デュラックさん(1882~1953)。
東洋美術に関する知識も深かったデュラックさんの代表作は、
『アラビアンナイト』、
『アンデルセン童話』、
シェイクスピアさん作『テンペスト』他。
そう、デュラックさんの影響力は大きく、
ディズニー映画『アナと雪の女王』、
『美女と野獣』『アラジン』の、
美術デザインの大部分は
デュラックさんの作品を参考にしていると言っても
ぜんぜん大袈裟じゃないんです。
「もッとォ、ひょうかァしてほしいィでスゥ!」
「がるるぐるるるるるる!」(←訳:偉大な画家さんたちを!)
可愛い、美しい、
けれど、決して原作を曲げることをしない
超一流の挿絵たち――
この御本には、
著名な挿絵画家さんたちの略伝、
挿絵画家さんの代表作などが取り上げられていて
《挿絵黄金期》入門編として
おすすめの一冊です。
アート好きさん、書籍デザイン好きな御方は
ぜひ、覗いてみてくださいね~♪
やッたでスねッ、たんたんくんッ!」
「がるる!ぐるがるるるる!」(←訳:虎です!人気あるんだよ!)
こんにちは、ネーさです。
今月8日のこと、
ベルギーの漫画家エツジェさんの人気作《タンタン》シリーズの、
『タンタン、ソビエトへ』表紙絵が競売にかけられ、
112万ドル(一億二千万円)で落札されました!
さすがタンタンくん!と感心しながら、
本日の読書タイムは
タンタンくんと同じく20世紀前半の
《絵のある本》を特集するこちらのアートブックを、
さあ、どうぞ~♪

―― 美しい挿絵で見る!おとぎ話の世界 ――
㈱総合図書から2017年5月に発行されたMOOK本には、
『挿絵黄金期の画家たちによる魅惑の空想世界に浸る』と
副題が付されています。
前回記事で御紹介しました『グリムの森へ』に
挿絵が多数掲載されていたことはお伝えしましたが、
文庫である『グリムの森へ』では、
挿絵のサイズが小さくて、
モノクロであったのに比べて――
「こッちはァ、からふるゥ~でス!」
「ぐるがるっるぐるるぅ♫」(←訳:色があるっていいなぁ♫)
エルジェさんが《タンタン》シリーズの制作を始めたのは、
1920年代から、とされています。
画面一杯に描き込まれたオシャレな小道具、
最新流行のファッション、
建築の描写もすっきりしていて、
全体のスタイルは完全にアールデコ。
対して、
名作と謳われる《挿絵黄金期》の作品は、
殆どが20世紀初頭から1930年代に制作されています。
なので、スタイル的には
アールデコよりも
アールヌーヴォーに近い、と申せましょうか。
ただ、意外と言ってはナンなんですけれど、
《黄金期》の挿絵本って、
“自由”なんです。
「てーまッ、なんでもォありィ!」
「がるぐる~!」(←訳:制限無用~!)
シェイクスピア作品に
アラビアンナイトの中東世界、
グリム童話では中世を、
アンデルセン童話の近代社会、
『不思議の国のアリス』のパンク&シュール、
日本や中国など東洋の伝説や、
E・A・ポーさんのホラーな物語も、
挿絵画家さんたちは
見事に描きあげてみせました。
逆説的ではありますが、
タンタンくん風のアールデコスタイルだと、
この“自由”さについてゆけない、のよね。
だって、タンタンくんの画調で
ポーさんの『赤死病の仮面』や
『アッシャー家』の挿絵を描いても、
あの禍々しい怖さが出ないでしょ?
「たいせつゥなのはァ~…」
「ぐるる!」(←訳:雰囲気!)
この御本の中で
とりわけ注目していただきたいのは、
エドマンド・デュラックさん(1882~1953)。
東洋美術に関する知識も深かったデュラックさんの代表作は、
『アラビアンナイト』、
『アンデルセン童話』、
シェイクスピアさん作『テンペスト』他。
そう、デュラックさんの影響力は大きく、
ディズニー映画『アナと雪の女王』、
『美女と野獣』『アラジン』の、
美術デザインの大部分は
デュラックさんの作品を参考にしていると言っても
ぜんぜん大袈裟じゃないんです。
「もッとォ、ひょうかァしてほしいィでスゥ!」
「がるるぐるるるるるる!」(←訳:偉大な画家さんたちを!)
可愛い、美しい、
けれど、決して原作を曲げることをしない
超一流の挿絵たち――
この御本には、
著名な挿絵画家さんたちの略伝、
挿絵画家さんの代表作などが取り上げられていて
《挿絵黄金期》入門編として
おすすめの一冊です。
アート好きさん、書籍デザイン好きな御方は
ぜひ、覗いてみてくださいね~♪