テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

二度読み、三度読み…まだ足りない?

2019-06-14 22:34:36 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 くんくんッ! においィがァ、しまスゥ~!」
「がるる!ぐるがるぐる!」(←訳:虎です!雨の匂いだよ!)

 こんにちは、ネーさです。
 明日6月14日の関東地域は大雨の予報が出ていますね。
 雨量が多くて、風が強くて、気温も低くて……
 はい、そんな日の読書タイムは
 こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  


 
      ―― 二度読んだ本を三度読む ――



 著者は柳広司(やなぎ・こうじ)さん、2019年4月に発行されました。
 活字マニアさんには《ジョーカー・ゲーム》シリーズ、
 『トーキョー・プリズン』『風神雷神』他の作品でお馴染みの
 柳さんによるブックガイドであり、
 読書論、というべきでしょうか。

 さあ、では先ず、
 巻末の『あとがき』を読んでみましょう。

「ふァ? あとがきィからァ?」
「ぐるる~?」(←訳:本文は~?)

 別にね、御本のアタマっから順序よく、
 本文を読み始めてもいいんですけど。

 『あとがき』には、
 著者・柳さんの読書体験、
 この御本を執筆した経緯&裏話が記されているんです。
 いえ、これはもう、
 《読書哲学》
 なのかもしれませんね。

「にどォよんだァほんはァ~…」
「がるぐるがる!」(←訳:必ず三度読む!)

   本を二度読むのは、
   それが自分にとって二度読むに値する本だと
   思ったからだ――

 と、『あとがき』で柳さんは書いていますが、
 上の文に続くのは。

   二度読むに値する本に出会う確率は
   極めて低い。
   だから、
   二度読んだ本は必ず三度読む。

「ふゥ~むむむゥ……!」
「ぐるるるるがる~…!」(←訳:分かる気がする~…!)

 世の中にはたくさんの本が溢れている。
 大抵の本は一度読んで、
 あ~面白かった、でお終い。

 でも、一度だけでは足りない、
 消化不良のままのような気持ちになる本というのも、
 確かにある。

「にどォ、よんでェ~…さんどォ、よんでェ~…」
「がるぐるるる!」(←訳:まだ足りない!)

 それは例えば、

 サマセット・モームさん著『月と6ペンス』。

 夏目漱石さん著『それから』。

 小泉八雲さん著『怪談』。

 中島敦さん著『山月記』。

 それらの作品のどこが、
 柳さんの気を引き、袖を引き留めるのか。
 何に、こころ打たれるのか。

「かんがえればァかんがえるゥほどォ?」
「ぐるるがるる?」(←訳:答えは遠のく?)

 司馬遼太郎さん著『竜馬がゆく』を論じながら、
 柳さんは嫉妬に身もだえします。

 高校時代に読み、
 友人と感想を語り合った『竜馬がゆく』を、
 なんと、友人は
 35年後の今も“愛読書だ”と言い切った――

 35年を経ても、色褪せない。
 最初に読んだときの感動が薄れることはない。

 そんな風に言える本と巡り会えたことは
 ほとんど奇跡、
 信じられないくらいの幸運ではないかと。

「いついつまでもォ~」
「がるるぐる!」(←訳:特別な存在!)

 前回記事で御紹介した
 和田忠彦さん著『ウンベルト・エーコ 薔薇の名前』が
 《物語ること》についての思索であったなら、
 柳さんのこの御本は、
 《読むこと》についての思索を重ねた一冊、
 と申せましょうか。
 
 この本だけは手許に置く、
 何があっても捨てたりしない。
 まだまだ、読み足りないんだ!

 という心境に到達している愛書家さん、活字マニアさんは
 ぜひ、手に取ってみてくださいね。
 おすすめですよ~♪
 
 
コメント
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