テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 胸に響くは、石たちの歌声 ~

2021-08-03 22:09:37 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぱくぱくッ!」
「がるる!ぐるる!」(←訳:虎です!ぱくり!)

 こんにちは、ネーさです。
 もう熱中症はイヤだ!
 体力つけなくちゃ!
 じゃあどうしよう?……そうだ、これ!と、
 いまが旬の白桃で栄養と元気を補給したら
 (あ~美味しかった!)、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
      ―― 石の文学館 ――



 編者は和田博文(わだ・ひろふみ)さん、
 2021年4月に発行されました。
 『鉱物の眠り、砂の思考』と副題が付されています。

 ふっくら桃とは正反対の、
 ガチゴチな《石》たちをテーマにした
 アンソロジーに収録されているのは、

 稲垣足穂さん著『水晶物語』
 宮沢賢治さん著『岩手軽便鉄道 七月(ジャズ)』
 澁澤龍彦さん著『石の夢』
 芥川龍之介さん著『三つの指輪』
 須賀敦子さん著『舗石を敷いた道』
 遠藤周作さん著『石仏の里 国東』
 
 などなど、
 38編の“珠玉“作たち。

「ほうせきィ!」
「ぐる!」(←訳:鉱石!)
「いしころッ!」
「がるぐるるる!」(←訳:謎の巨石遺構!)

 著者さんたちの心を動かす
 さまざまな形質の《石》の文学の中から、
 ここで御紹介いたしまするは、
 まさに、王道の《石》――
 宝石について描かれたエッセイです。

 著者は、塩野七生(しおの・ななみ)さん。

 本文130ページの、

 『宝石と宝飾』。

「むむゥ! るねさんすゥ!」
「ぐーる!がぅるるぅる!」(←訳:ローマ!ヴェネツィア!)

 古代ローマやヴェネツィア、
 ルネサンスのフィレンツェなど
 イタリアの歴史を主題とする作品で知られる
 塩野さんが書く宝石のお話、というと
 当然その舞台はイタリアであろうと
 予想してしまいます。
 
 『ブルガリ』『ポメラート』
 『カプア―ト』といったイタリアの宝飾ブランドは
 日本でも有名ですが……

「あれれッ?」
「がるぐるるる?」(←訳:出てこないよ?)

 塩野さんが
 自分のための宝飾品を探して歩くのは、
 イスタンブールの街。

 迷路のようなバザールでのことです。

「ふァ~…おみせがァ、たくさんッ!」
「ぐるるがるーる!」(←訳:ここがバザール!)

 そもそもは、
 取材を目的とする
 イスタンブール旅行でした。

 トプカピ宮殿の宝飾品の、
 ああ、なんという美しさ。
 その伝統を受け継ぐ
 グラン・バザールのお店の品々も、
 やっぱり素晴らしい♪

「こッ、ここでッ!」
「がるる!」(←訳:事件が!)

 感銘を受けた塩野さんの様子に、
 同行していた御夫君もまた
 影響されたのでしょうか。

 一定の金額を示し、
 この範囲なら買ってもよろしいと
 言い出して……!

「やたッ♪♫」
「ぐっるぅるる!」(←訳:買っちゃおう!)

 バザール内にある宝飾店の、
 さて、あちらのお店にするか、
 こちらのお店にするか。

 そして何より、
 どのような宝飾品を選ぶのか。

 悩んだ末の
 塩野さんの選択と、
 その結果は?

「しィっ! それェいじょうゥはァ~」
「がるるるぐるる!」(←訳:ネタバレ回避で!)

 どのページのどのお話も、
 《石》好きな方々や
 鉱物コレクターさんは
 浮き浮きさせられますし、
 《石》初心者の活字マニアさんは
 感心しながら楽しく読める一冊です。

 同じ《文学館》シリーズの、
 『猫の文学館Ⅰ・Ⅱ』
 『森の文学館』他と併せて
 夏休みの読書リストに、
 皆さま、ぜひ♪
 

 
コメント
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