テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 夏こそ、深山幽谷を ~

2021-08-12 22:25:14 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 なつかしのォ、ほォーむずゥさんッ!」
「がるる!ぐるっるる~!」(←訳:虎です!始まったよ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 昨日8月11日夜9時からBSプレミアムにて
 グラナダTV版『シャーロック・ホームズの冒険』が
 放送開始となりました♪
 来週の『踊る人形』も楽しみにしながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  


 
      ―― 聖地と日本人 ――



 著者は小松和彦(こまつ・かずひこ)さん、
 2021年3月に発行されました。
 今はちょうど
 お盆シーズンに当たりますものの……。

「ことしもォ、またァ~」
「ぐるるる?」(←訳:帰れない?)

 そうですねえ……
 去年、そして今年2021年もまた、
 自由な帰省旅行は難しい状況となっています。

 こんなときは、
 《聖地》と呼ばれ、
 古代の日本人が特別視した場所へ、
 紙上旅行をしてみましょう。

「たとえばァ~…くらまやまッ?」
「がるぐる?」(←訳:なぜ鞍馬?)

 この御本の中で
 著者・小松さんが取り上げているのは、
 《能楽》
 《謡曲》
 の舞台となった24の場所です。

 プロローグに続いての、
 本文の一番手で紹介されているのは、

 『鞍馬・僧正ヶ谷』。

 鞍馬山(くらまやま)と聞けば、
 牛若丸伝説ゆかりの地、ですよね。

「ふァいッ! ひるゥなおォくらいィ~」
「ぐるるるるがる!」(←訳:天狗さんのお山!)

 同じく天狗さまの住処として知られる
 『愛宕山』。

 或いは、
 酒呑童子の隠れ家とされる
 『大江山・千丈ヶ獄』。

 魔物ではなくて
 神仙の気配がするのは、

 湖に浮かぶ『竹生島』。
 
 桜の名所『吉野』。

 死と再生の霊地『熊野』。

「うわわッ? あれはッ!」
「がるるる~!」(←訳:逃げよう~!)

 鬼が旅人を罠にかける
 『安達ケ原』。

 安珍と清姫の物語は、
 『日高川』。

「ききおぼえェ~ありまスゥ!」
「ぐるるがるるるる!」(←訳:名場面ありありと!)

 ”あちら側”につながっていそうな、
 深山幽谷。

 ”あちら側”への扉が隠されていそうな、
 奇岩奇景。

 それは、
 《奥》
 でると、小松さんは指摘します。

 《奥》には果てがなく、
 どこまでも深い。

「にんげんはァ、そういうゥところにィ~」
「がるるるるるるぅる!」(←訳:惹きつけられちゃう!)

 《聖地》という、
 定義しやすそうでいて、
 実に捉えにくいもの。

 お盆の季節に、
 ふっと想像してみたり、
 記憶をさかのぼってみるきっかけにもなりそうな
 歴史ノンフィクション作品です。

 日本史好きな活字マニアさんに
 特におすすめですので、
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪
 


 
コメント
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