テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ お城の扉を、開けた先には ~

2021-08-31 21:31:40 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ♪ゆうがたァ~♪ごじのォちゃいむゥがァ~♪」
「がるる!ぐるるがるるる~♪」(←訳:虎です!なぜかぼんやり~♪)

 こんにちは、ネーさです。
 今年もフジファブリックさんの
 『若者のすべて』を口遊みながら、
 さあ、8月を締めくくる読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♫

  



      ―― 大奥づとめ ――



 著者は永井紗耶子(ながい・さやこ)さん、
 単行本は2018年に、
 文庫版は2021年4月に発行されました。
 『よろずおつとめ申し候』と副題が付されています。

 《大奥》――
 大河ドラマ『青天を衝け』では
 時代的な背景もあってか、
 ほんの少ししか描かれませんでしたが、
 こちらは、
 『青天を衝け』の頃より
 ちょっと前の頃の《大奥》を
 舞台にした小説作品です。

「ぜェ~んぶゥ、じょせいィ!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:全職種を女性で!)

 《大奥》というところは、
 皆さまも御存知の通り、
 男性は出入り禁止。

 男性出禁、とは即ち、
 《大奥》内のすべてのお仕事を、
 女性が担うことになります。

 祐筆……現代でいう、秘書さん。
 御次(おつぎ)……芸能のエキスパートさん。
 呉服……スタイリストさん。
 御末(おすえ)……力仕事あれこれ。
 
 というような具合ですね。

「しんいりさんはァ、びィ~ッくりィ!」
「がるぐるるるるる!」(←訳:目を丸くしてます!)

 《大奥》入りする娘さんたちは、
 お城に上がって後、
 驚いたり、ショックを受けたりします。

 上さまに見染められ、
 側室になって、
 栄華を極めて……
 なんていうのは、レアケース?

 《大奥》での“出世“とは、
 秘書さんやらスタイリストさんやら
 舞&謡の達人さんやら、
 食事のデリバリーやら、
 さまざまな分野で頭角を現し、
 認められてゆくこと?

「なァ~るほどッ!」
「ぐるるるるがるるるぐる!」(←訳:出世すればお給金も上昇!)

 江戸時代後期、
 11代将軍・家斉(いえなり)公の御世。

 16歳の少女、
 結衣(ゆい)さんは
 《大奥》へ上がりました。

 或る事情から
 やむなく《大奥》づとめを
 選ばざるを得なかった彼女が選ぶのは。

 側室になるのではなく、
 自身の技量による
 “出世“の道。

 とはいえ、
 琴はまあまあイケるけれど、
 舞や、お花は
 人並み程度でしかなくて。

 では、
 結衣さんを“出世“に導く
 足がかりとなるものは……?

「えッとォ、たぶんッ?」
「がるるぐるるる!」(←訳:何かがあるはず!)

 大奥の“出世“システムを活写する
 『ひのえうまの女』
 を幕開けに、
 短編7作品から成る連作は、
 時代小説好きな方々にも、
 お仕事小説好きな方々にも、
 おすすめですよ。

 私ネーさが推す作品は、
 『くれなゐの女』。
 どんな女性が主人公で、
 どんな視点から《大奥》が描かれるのか、
 皆さまも、ワクワクしながら、
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 
 
 
コメント
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