テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 小さきもののために、夜道を ~

2021-08-23 23:31:25 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わきゃきゃッ♪ かわゆいィ~!」
「がるる!ぐるるるがるる!」(←訳:虎です!ころころだねえ!)

 こんにちは、ネーさです。
 上野の双子パンダちゃんたちが生後2カ月となり、
 公開された画像のまあ可愛いこと♪
 パンちゃんたちよ元気に大きくなれ!
 というエールも込めて、
 本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♫

  



      ―― 夜の獣医さん ――



 著者は高橋うらら さん、2021年6月に発行されました。
 『往診専門の動物病院』と副題が付されています。

「ふむむゥ? おうしんッというゥことはァ~…」
「ぐるるるるるる!」(←訳:来てくれるんだ!)

 梅原英輝(うめはら・ひでき)さんは、
 『梅原動物病院』の獣医師さんです。

 『梅原動物病院』の診療時間は
 一般的な動物病院とは少し違っていて、
 夜間だけ。
 しかも、往診を専門としています。

「それッ、いいかもィしれないィでス!」
「がるるるるぐるがる!」(←訳:いろいろな点で安心!)

 ワンコたちニャンコたちにとって、
 動物病院は鬼門のようなもの。

 診察台、怖い!
 注射、怖い!
 触られるのも、怖い!
 とにかく怖い!

 と、怖さが倍増しして、ガクブル。
 血圧だって上がってしまいます。

 けれど、自分のお家でなら、
 ガクブルパニックはそうそう起きません。

 大嫌いな病院へ
 無理矢理引きずってゆかれるよりは、
 身体にかかるストレスも少なくて済みます。

 という次第で、
 お家にやって来てくれる梅原先生は、
 動物たちにとっても
 飼い主さんにとっても、
 ありがた~い存在なんですね。

「ひッぱりィ~だこッ!」
「ぐるる!」(←訳:大人気!)

 第一章の
 『こんばんは。梅原動物病院です。』では、
 梅原先生が動物病院を開くまでの
 半生記を。

 そして、
 第二章の
 『梅原先生の患者さんたち』では、
 梅原先生が往診したベスさん(ネコ)、
 ペコさん(イヌ)、
 ブンさん(ウサギ)、
 ステラさん(ハリネズミ)他、
 患者さん&ご家族さんと
 梅原先生の出会いが描かれています。

「わんこもォ、にゃんこもォ~」
「がるるぐるるるがる~」(←訳:病気はつらいよねえ~)

 往診していただいて、
 快復したり、
 寿命が延びたり。

 動物たちの症状はそれぞれに切実で、
 早く良くなっておくれ!
 きっと元気に!
 と願わずにはいられません。

 そして、
 紹介されているエピソードの中で、
 最も考えさせられたのは、
 ウサギさんについての
 或るお話です。
 それは――

 《ウサギは、誕生日に具合が悪くなる》。

「ふァ??」
「ぐるるるがる?」(←訳:どういうこと?)

 誕生日は、特別な日。

 特別な日のお祝いにと、
 美味しい果物やおやつ、
 御馳走をたくさん振る舞われて。
 それをムシャムシャと食欲のまま
 食べていったら……?

「うむむゥ! なァるほどッ!」
「がるぐるるるる!」(←訳:お腹こわすよう!)

 ウサギに対してばかりじゃないわよね、
 そう考えちゃうのは。

 ワンコだってニャンコだって、
 お誕生日くらい大盤振る舞いしたり、
 スペシャルな好物を山盛りにして
 食べさせてあげたい……けれど。

 ううむ、
 それは人間のエゴであったのか……。

「はらァはちぶんめッ!」
「ぐるるるがる!」(←訳:暴飲暴食NG!)

 ウサギのみならず、
 すべての生きものに当てはまりそうな
 腹八分目の格言。

 治療をする側、
 治療を受ける側、
 両サイドから語られる
 医療のかたち。

 講談社青い鳥文庫から
 刊行されているこの御本は、
 少年少女向けではありますが、
 大人な活字マニアさんにも
 おすすめのノンフィクション作品です。

 今夜も小さな患者さんのために
 車を走らせる梅原先生を思い浮かべつつ、
 皆さま、ぜひ、一読を♪
 
 

コメント
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