テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 切り札は、あの名作! ~

2021-08-30 22:17:55 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぷはゥ! おそろしィ=てんかいィ、でしたでスゥ!」
「がるる!ぐるるがっるる!」(←訳:虎です!朝からびっくり!)

 こんにちは、ネーさです。
 今日8月30日の朝ドラ『おかえりモネ』は、
 劇的すぎる展開に
 ひゃあ!うわわぁ!と悲鳴をあげてしまいました……
 明日はどうなる?と心配しながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
    ―― 短編ミステリの二百年 5 ――



 編者は小森収(こもり・おさむ)さん、
 2021年6月に発行されました。
 ミステリ好きな活字マニア諸氏に好評の
 《短編ミステリの二百年》シリーズ第5作目は、
 1940~60年代に発表された作品が
 中心になっています。

 著者は、スティーヴン・パーさん、
 グレアム・グリーンさんや
 ジョイス・ポーターさん他、
 とっても豪華なんですけど……

「おすすめェさくひんッ、ありまスゥ!」
「ぐるがる!」(←訳:イチ推し!)

 ええ、そうなんです。

 これは外しちゃいけない!

 と言いたくなる1編が、
 この第5巻には収録されているんですよ。

 本文231ページ、
 ハリイ・ケメルマンさん作
 『九マイルは遠すぎる』、
 英語原題は
 『The Nine Mile Walk』、
 1947年発表のこの作品は
 著者・ケメルマンさんのデビュー作でもあります。

「めいさくゥでスよゥ!」
「がるるぐる!」(←訳:切れ味抜群!)

 《十語から二十語の文章をあげてみたまえ》

 と言い出したのは、
 ニコラス・ウェルト教授。

   その二十語内の文章から、
   君の頭にそれが浮かんだときには
   夢にも思わなかった
   合理的推論を立ててやろう――

 この挑戦に乗ったのは、
 ウェルト教授の友人である
 語り手の“わたし”です。

 そして、
 “わたし”がさっそく教授に
 突き付けたのが、

  《九マイルを歩くのは
   ただごとじゃない。
   まして雨の中では》

 という文章でした。

「むむゥ! そこからァ、すいりィ??」
「ぐるるる!」(←訳:難しいよ!)

 なんということもなさそうな、
 短い文章。

 僅かな上にも僅かな言葉の連なりを
 手掛かりに、
 ウェルト教授は思考を巡らせます。

 これは、どのような状況を指す文章か。
 言ったのは、誰か。
 場所は。
 時刻は。

「けつろんにィ、もうゥ!」
「がるるぐるぅる!」(←訳:啞然としちゃう!)

 アクロバティックな教授の推論が
 ゴール地点に達した時、
 いったい何が起こるのか――

 短編ミステリ史上屈指の名作とされる
 『九マイルは遠すぎる』、
 とにもかくにも必読の一篇です。

 他に、
 ジェームズ・ヤッフェさん作
 『ママは願いごとをする』、
 ジョイス・ポーターさん作
 『ここ掘れド―ヴァ―』
 それにもちろん、
 編者・小森さんによる評論もおすすめですので、
 ミステリマニアさんも
 初心者さんも、
 ぜひぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 
 
 
 
コメント
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